研究概要 |
20年近くの片腎摘は血圧と関連して腎硬化症をおこすこと(Am J Kidney Dis)やin vivoで様々な血管作動性物質と圧が協調して腎血管やメサンギウム細胞に変化をおこすことを明らかにした(Kidney Int,Am J Phsyiol)。 さらに、メサンジウム細胞を用いて培養細胞の加圧を行っていったところ、当初の予想ではアンジオテンシンIIとの協調作用により細胞外マトリックスが増加することが予想された。しかし細胞外マトリックスの増加は軽微にとどまった。そこでinterleakin-4を用いたところコラーゲン細胞の合成が促進することが判明した(An J Phsyiol)。一方細胞がアポトーシスをひきおこすことをつき止めた。Shear Stressによりアポトーシスがおこることはいわれているが、静止圧下でアポトーシスがおこることを私共ははじめて見い出した。〔平成9年日本腎臓学会総会、BBRC(投稿準備中)〕。Shear Stressでは接着因子の関与が報告されたり、あるいはAngIIやサイトカインがそれらをひきおこすという報告もある。今回は、インテグリン1α、フィブロネクチン、カドヘリン等を蛍光染色を行うことにより検討した。今回はインテグリン1αが圧負荷によって増加していることが確かめられた。(平成9年日本腎臓学会、BBRC投稿予定)。 以上より糸球体硬化症による圧負荷は恐らく接着因子の変化が重要な役割をはたし、それが細胞内情報伝達系を動かすことにより、何らかのサイトカインを遊出する可能性を考えている。
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