研究課題/領域番号 |
07457248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
冨川 伸二 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40164016)
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研究分担者 |
宮坂 昌之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50064613)
野村 祐二 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20251449)
渡辺 建詞 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90201178)
出川 寿一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10172115)
別宮 好文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70199454)
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キーワード | 抗接着分子抗体 / ドナー特異的輸血 / ラット肝移植 / Bactobolamine |
研究概要 |
(1)新しく開発された免疫抑製剤Bactobolamine(BBL)のラット肝移植における生着延長に及ぼす効果であるが、ACIからLEWへのラット肝移植において無処置対照群の平均生存日数は10.9±1.0日に対して、BBL50mg,100mg,200mg/kg/day各投与群の平均生存日数はそれぞれ、13.9±2.9、19.1±8.3、29.1±15.4日であった。また、FK5060.08mg/kg/day投与群の平均生存日数は33.6±15.1日であった。これに対して、BBL100mg、FK5060.08mg/kg/dayの併用投与を行うと、7頭中5頭が100日以上生存し、100日以上を100日とすると平均生存日数は98.3±2.6日となり有意の生着期間の延長が認められ、しかも両薬剤の併用はcombination indexから判断すると、相乗的であった。 (2)ACI(RT1^a)をドナー、Lewis(RT1^1)をレシピエントとする同所性肝移植において、以下の6群の生着期間を比較した。Group1.無処置。Group2.レシピエント手術中門脈血流遮断直前に抗ICAM-1抗体(1A29)、抗LFA-1抗体(WT.1)各1mg/kgを投与。Group3.移植後3日間FK506 0.15mg/kgを投与。Group4.抗体とFK506を併用。Group5.移植7日前にドナー末梢血1mlを輸血(DST)。Group6.DST時と移植時に抗体を各1mg/kg投与。ドナー特異的な寛容の誘導を確かめるため、100日以上の長期生着の得られた例でACI、BN(RT1^n)からの皮膚移植を行い、皮膚の生着期間を観察した。Group1、Group2で術後7日目に移植肝を取り出し、抗CD4、CD8、CD45R抗体による免疫組織染色、湿潤細胞のFACSを行った。抗体1回投与のみで生着期間は11.1日から30.6日へと延長した。Group1の死亡時移植肝組織所見では強い急性拒絶反応がみられたが、Group2では急性拒絶を思わせる所見はほとんどみられなかった。FK506と抗体の併用効果はみられなかった。DSTのみでは長期生着例は40%だったか、DSTと抗体を併用することで全例で100日以上の長期生着が得られた。長期生着例の皮膚移植で、ドナー特異的な寛容であることが示された。術後7日目の免疫組織染色で抗体投与群では、グリソン域でのCD4陽性細胞、CD8陽性細胞の著名な減少がみられた。FACSでもCD4陽性細胞、CD8陽性細胞の消失が示された。
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