研究課題/領域番号 |
07457249
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
松波 英寿 信州大学, 医学部・外科学第一, 助手 (40219457)
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研究分担者 |
橋倉 泰彦 信州大学, 医学部・附属病院第一外科, 助手 (10228398)
川崎 誠治 信州大学, 医学部・外科学第一, 教授 (80177667)
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キーワード | 肝移植 / 生体部分肝移植 / 核磁気共鳴 / 31P-MRS |
研究概要 |
本研究は全身用MRI装置を用い31P-MRSを行い、donor体内の肝臓および摘出graftが含有する高エネルギー燐酸化合物を測定し、31P-MRSが臨床肝移植におけるdonor及びgraftのviability評価法として、適切か否か検討する事を本研究の目的として開始した。当初、動物実験において摘出肝のviability測定を今年度行う事を計画したが、臨床における生体部分肝移植の対象となる、ドナー、レシピエントにおいて実際の測定を行った。 成人のレシピエント5例、ドナー10例において31P-MRSを行った。ドナーは全例健康であり、末梢血肝機能検査が正常な成人であった。これらの症例からはほぼ均一な肝固有の31P-MRSが得られ、得られたデーターはコントロールとした。レシピエントは胆汁性肝硬変、胆道閉鎖症、シトルリン血症であり、レシピエントからは様々なデーターが得られ、肝機能障害が著しい症例ほど高エネルギー燐酸化合物のピークが低く、フォスフォモノエステルの高値が特徴と考えられた。また、同一症例でも、部位により測定値に大きな違いがあることが明らかになり、障害肝の再生時における肝の部位別な肝機能評価の可能性が示唆される。これらの研究結果から、全身用MRI装置による肝固有の31P-MRSの測定は、実際の肝のviabilityを反映する可能性があると考えられ、今後、摘出肝の病理学的所見、末梢血肝機能検査所見のも比較し、検討したい。
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