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1995 年度 実績報告書

癒着防止や動脈瘤治療に用いるin situ固化性液体の合成とその有効性評価

研究課題

研究課題/領域番号 07457251
研究種目

一般研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

岩田 博夫  京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (30160120)

研究分担者 滝 和郎  京都大学, 医学研究科, 講師 (70144368)
井上 一知  京都大学, 医学研究科, 助教授 (90168435)
筏 義人  京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
キーワード生体接着剤 / ゼラチン / ポリグルタミン酸 / 活性化エステル / チオール基 / ジスルフィド結合 / 水溶性高分子
研究概要

生体接着剤、癒着防止、血管塞栓また動脈瘤封入などの医療の多くの場面に用いる使用直前までは液体であって使用時に固化するような物質の開発を進めている。
現在、生体接着剤また止血剤としてフィブリン糊が用いられているが、ウイルス感染に対する危惧から、これに代わる生体接着剤として活性化エステルを有する合成ペプチドとゼラチンとの反応を用いたin situ固化性液体の開発研究を進めてきた。開発した生体接着剤は、ポリグルタミン酸のヒドロキシスクシニイミドによる部分活性化エステル物とゼラチンとからなる2液性の接着剤である。その固化速度また物性ともほぼフィブリン糊と同等である。また、本固化性液体は、細胞毒性が極めて低いこと、また生体内で分解吸収されることを明らかにしてきた。現在、その止血剤としての有効性を動物実験にて検証を進めている。また、活性化エステル基導入率を変えたり、用いるゼラチンを適当なものにすればフィブリン糊より強固な接着力を有するin situ固化性液体の開発も可能である。
また、チオール基の自然酸化反応を用いたin situ固化性液体の開発も進めている。自然界では、チオール基(SH基)の酸化反応によるジスルフィド結合(SS結合)の形成はタンパク質の高次構造の安定化に寄与している。SS結合形成反応は生体にとって有害な反応ではないと考えられ、この反応に着目し、側鎖にSH基を有する水溶性高分子を合成し、この合成高分子を用いたin situ固化性液体の開発を行った。チオール基の酸化反応速度は、空気酸化またジスルフィド化合物との交換反応により自由にコントロール出来ること、また、生体内で分解吸収されないことなどの性質を有し、血管塞栓また動脈瘤封入に適したin situ固化性液体である。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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