研究課題/領域番号 |
07457251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 博夫 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (30160120)
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研究分担者 |
滝 和郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (70144368)
井上 一知 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90168435)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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キーワード | 血管塞栓機 / 生体接着剤 / 癒着防止機 / 細胞固定化機 / 細胞 / 血管内手術 / 組織工学 |
研究概要 |
血管塞栓、動脈瘤封入、生体接着剤、癒着防止、細胞の固定化や組織工学などの医療の多くの場面で、使用直前までは液体であって使用時に固化するような物質の開発が強く望まれている。この物質は、言うまでもなく、細胞や組織に障害を与えないことが必要である。それぞれの目的に用いることの出来る素材の開発を進めている。順次研究の現状を記載する。 (1)血管塞栓と動脈瘤封入に用いる素材の開発:2-ヒドロキシエチルメタクリレートとメチルメタクリレートを基材とする血管塞栓材料の開発を行い、脳動静脈奇形または脳腫瘍の治療に臨床応用されている。また、非接着性のシアノアクリレートを開発し、安全性試験の終了した後、臨床応用を進める予定である。 (2)生体接着剤:活性化エステル化ポリグルタミン酸を用いた生体接着剤を開発している。in vitroの評価実験は終了し、現在、動物を用いた評価実験を進めている。 (4)癒着防止剤:ゼラチンを基材とした癒着防止剤を進めている。ラット腹壁に作成した癒着モデルを用いて評価をすすめ、ほぼ仕様が決定された段階である。 (5)細胞の固定化素材:合成高分子を溶解させまた細胞に障害を与えない溶剤の探索を行い、インスリン産生細胞の封入を行った。また、チオール基を側鎖に有する高分子の合成を行い、これを用いてもインスリン産生細胞の封入を行った。 開発した素材が一部臨床応用されているように、臨床家との密接な研究体制を組んでいるため、将来、開発された素材が臨床の現場で治療に用いられる可能性は極めて高いと考える。
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