研究課題/領域番号 |
07457253
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
土肥 雪彦 広島大学, 医学部, 教授 (90034024)
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研究分担者 |
丸林 誠二 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (80144814)
福田 康彦 広島大学, 医学部, 助教授 (40093801)
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キーワード | 近赤外分光法 / 肝阻血障害 / Kupffer cell blockade / nafamostat mesilate |
研究概要 |
肝阻血障害の迅速かつ無侵襲な診断法として、生体組織に透過性の高い近赤外分光法による肝酸素代謝の無侵襲監視システムの実用化を目的とし、光源およびプローベの改良、測定手技の工夫を行った。光源は、従来のハロゲンランプ150Wを300Wに改良することにより、より深部の肝組織酸素代謝の測定が可能となった。プローベには、近赤外光に対する伝送損失が少ないことから石英製オプティカルファイバーを使用しているが、これは急角度に曲げることができず折れやすい。そこで体内留置型のプローベは、先端部分をフレキシブルなポリメチルメタクリレート製のプラスティックファイバーとして、測定時に石英製ファイバーと接続する方式を開発した。 我々の近赤外分光法システムは、肝の酸素代謝のみならずNOラジカル産生を定量的に評価しうるため、肝の各種病態におけるNO産生の動態と酸素代謝の関係を分析しうる。ラットを用いた検討では、長時間冷阻血により再灌流数時間後から徐々にNO産生は亢進し、その亢進が著明となると細胞内酸素代謝の指標であるチトクロムオキシターゼの酸化障害が観察された。 肝阻血再灌流による障害機序の一つにproteaseの活性化が考えられ、合成protease inhibitor(PI)の有効性が検討されている。しかし、阻血再灌流により活性化したKupffer細胞から産生される種々のメディエーターにより投与された合成PIの分解が促進し効果が減ずるおそれがある。そこで、われわれはnafamostat mesilateと、kupffer cell blockade(GdCl_3)の併用投与を考察し、ラット肝移植モデルを用いてその有効性を確認した。
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