研究課題/領域番号 |
07457267
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾野 雅哉 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00270900)
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研究分担者 |
横山 正 東京大学, 医学部附属病院, 医員
佐々木 慎 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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キーワード | MMP / 大腸癌 / 血行性転移 / sLeX / FD |
研究概要 |
癌の湿潤、転位に強く関与していると報告されているMMPsのなかで、MMP-1の発現と血行性転位との関係、ならびにこれまでの臨床病理学的因子との関連について検討した。大腸癌切除症例133例(DukesA 72例、DukesB 28例、DukesC 33例)について、MMP-1の発現を検討し、MMP-1の発現は転移陽性例で26例中14例(53.8%)、転移陰性例で107例中33例(30.8%)に認められ、両者間に有意な差を認めた。多変量解析にて、他の臨床病理学的因子とともに検討すると、MMP-1、Dukes分類、v因子が独立した転移関連因子であった。この3因子を用いて判別分析を行った結果、血行性転移陽性症例26例中22例(84.6%)が陽性と判定され、血行性転移陰性症例107例中83例(77.6%)が陰性と判定され、MMP-1の発現は、大腸癌血行性転移の予測因子となりうることが示唆された。また、大腸癌の血行性転移に関連して、さらに、大腸癌原発巣の湿潤先進部における組織学的形態focal dedifferentiation(以下FD)および接着関連糖鎖sLe(X)の発現も検討したところ、これらの因子も血行性転移を示した大腸癌の原発巣に強く発現しており、大腸癌血行性転移の予測因子となりうることが示唆された。 尚、MMPs-mRNAの抽出、ヌードマウスへの移植に関しては、充分な結果が得られなかった。
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