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1996 年度 実績報告書

ヒト癌の転移浸潤と細胞間接着制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 07457272
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

塩崎 均  大阪大学, 医学部, 助教授 (70144475)

研究分担者 竹市 雅俊  京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (00025454)
五福 淳二  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
田村 茂行  大阪大学, 医学部, 助手 (80281129)
矢野 雅彦  大阪大学, 医学部, 助手 (70273646)
井上 雅智  大阪大学, 医学部, 助手 (80232560)
キーワードE-CD / β-カテニン / α-カテニン / adberence junction / チロシン リン酸化 / オクルジン / ZO-1
研究概要

1)カドヘリンの蛋白フラグメントを末梢血中よりsandwich ELISA法にて測定した。血中カドヘリン値は胃癌、大腸癌、食道癌などの担癌において健常人より有意に高値を示した。またその陽性率はCEA,CA19-9などの既知の腫瘍マーカーよりはるかに高く、今後広く臨床的に応用されると考えられた。また、血中カドヘリンが高値を示した症例は免疫染色によるカドヘリンの原発巣での発現が低下しているものが多く、つまりこれは癌組織ではカドヘリンの分解が亢進している可能性が示唆された。現在このカドヘリン分解酵素を同定しようとしている。2)また、カドヘリン減弱のもう一つのメカニズムとしてカドヘリン遺伝子のプロモーター領域のDNAメチレーションを考え、制限酵素多様性を用いサザンブロットを行った。培養細胞株では明らかなDNAメチレーションの関与は証明されなかった。3)E-CDの裏打ち蛋白であるβ-カテニンのヒト癌組織における臨床的意義を検討した。ヒト癌組織におけるβ-カテニンの発現を検討したところ、癌で高率な発現低下がみられ、癌の浸潤転移と関係することが確認され、カドヘリン、α-カテニンと同様にadherence junctionの機能制御に働いている可能性が示唆された。また、癌組織ではβ-カテニンのチロシンリン酸化が亢進していることが判明し、カドヘリンと細胞骨格との結合性を減弱させ接着機能の低下を招く可能性が示唆された。4)また、tight junctionの接着分子であるオクルジンの発現を正常及び癌組織で検討した。胃、腸などの腺上皮でオクルジンはよく発現され、癌組織ではその分化度と比例して発現が減弱する事が判明した。このオクルジンの発現性はtight junctionの裏打ち蛋白であるZO-1の発現性とよく一致していた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Shiozaki H.: "E-cadherin mediated adhesion system in cancer cells" Cancer. 77(8). 1605-1613 (1996)

  • [文献書誌] Takayama T.: "β-catenin expression in human cancers" Am.J.Pathol.148(1). 39-46 (1996)

  • [文献書誌] Shimada M.: "Genetic mechanisms in esophagealcarcinogenesis : frequent deletion of 3p and 17p in premalignant lesions" Genes,Chromosomes & Cancer. 15. 165-169 (1996)

  • [文献書誌] Tamura S.: "A newly-designed shape-memory coil stent for esophageal stricture : a preliminary report" Jpn.J.Surg Today. 26. 945-948 (1996)

  • [文献書誌] Iwasawa T.: "Primary human fibroblasts induce diverse tumor invasiveness -lnvolvement of HGF as an important paracrine factor-" Jpn.J.Cancer Res.87(11). 1134-1142 (1996)

  • [文献書誌] Tamura S.: "Decreased E-cadherin expression isassociated with haematogenous recurrence and poor prognosis in patients with squamous cell carcinoma of the oesophagus" British Journal of Surgery. 83. 1608-1614 (1996)

  • [文献書誌] 塩崎 均: "癌浸潤・転移と細胞接着-カドヘリン、カドヘリンを中心に、清木元治,編、新臨床医のため分子医学シリーズ、癌転移の分子医学" 羊土社, 45-53 (1996)

  • [文献書誌] 塩崎 均: "食道癌の遺伝子異常、菅野健太郎,編、メディカル用語ライブラリー、" 羊土社, 58-59 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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