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1997 年度 実績報告書

新生児腸管を使った小腸移植治療のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457279
研究機関自治医科大学

研究代表者

宮田 道夫  自治医科大学, 医学部, 教授 (90048976)

研究分担者 小林 英司  自治医科大学, 医学部, 助教授 (00245044)
キーワード新生児ドナー / 小腸移植 / 免疫抑制剤
研究概要

我々は、新生児臓器の免疫系が未発達である点に注目して、ラットモデルを用いて新生児腸管を使った小腸移植の臨床応用のための基礎的検討を行った。(1)同系間移植での検討:新生仔の小腸を血管吻合せずに移植する方法(N-SBT)を用いた。(実験1)新生仔臓器のnatural revasculization率を検討するため、生後直ちに種々の臓器(小腸、脾、肝、腎、心、膵臓)を成熟同系ラットの皮下に移植した。小腸については、生後経時的(24時間以内,4,11,18日目)にその生着率を検討した。(実験2)同系N-SBTでgraftを皮下及び大網内に移植し、graft生着全小腸を摘出し置換手術を行った。graftの評価は病理組織所見ならびに筋電図を参考にした。さらに移植graftの機能を脂肪吸収量の改善度として評価した。【結果および考察】各種臓器の生着率は、脾臓8/7(87.5%)、小腸12/17(70.6%)、腎臓5/12(41.7%)、心臓2/10(20%)、肝臓0/10、膵臓0/8であり、臓器により血管新生に差がみられた。小腸の生着率は経時的に低下し生後11日以後ではほとんど生着しなかった。グラフトの血管新生にはVEGFmRNAの発現増強は認められなかった。また皮下及び大網内で生着率に有意差はみられなかったが、筋電図上で前者は小腸固有の波型は得られなかった。大網内移植で正常に近い波型が認められ、置換手術においても、長期生存が得られた。(2)異系間移植での見当:近交経ラットLEW(RT1^1)をドナー、PVG(RT1^c)またはLEW(RT1^1)をレシピエンとして使用した。新生仔及び成熟ラット小腸の免疫原性を比較する目的で、15-Deoxyspergualin(DSG)5mg/kg/14daysを投与し生着率を比較した。またレシピエントの処理として、同様のDSG投与下で脾摘さらに脾摘+胸腺摘除を行い免疫抑制状態を比較した。拒絶の判定は、肉眼所見に組織学的所見を加味し行った。アロN-SBTの場合も、血管吻合を行わなくともホストより血管新生を認め、DSG短期投与下で50%に4週以上生着を認めた。さらに新生仔小腸移植において脾摘を加えると全例で6週以上の生着を認めた。一方、成熟小腸をドナーとし血管吻合による小腸移植を行った場合は、同上免疫抑制プロトコールでは、薬剤の中断とともに激しい拒絶反応が認められた。拒絶反応に伴う内視鏡的変化及び移植小腸機能の機能変化を観察した。また、成熟小腸をドナーとした際の免疫学的反応性の強さを新規免疫抑制剤であるFTY720により有効に制御することを確認した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Toyama N: "Fulminant second-set allograft rejection and endoscopic findings following small bowel transplantation in the rat." Gastroenterology. 30. 465- (1995)

  • [文献書誌] Kiyozaki H: "Segmental small bowel transplantation in the rat:Comparison of lipid absorptioon between jejunal and ileal grafts." JPEN. 20. 67- (1995)

  • [文献書誌] Kobayashi E: "Comparison of graft rejection between visualized or newborn intestinal transplantatiton in the rat." Transplant Proc. 28. 2485- (1996)

  • [文献書誌] Saito T: "Lipid absorption of the allointestinal grafts under a short course of methyldeoxysupergualin." Transplant Proc. 28. 2570- (1996)

  • [文献書誌] Mitusada M: "Prevention of graft rejection and graft-versus-host reaction by novel immunosuppressant,FTY 720,in rat small bowel transplantation." Transplant Int. 10. 343- (1997)

  • [文献書誌] Saito T: "Endoscopic findings in transplanted allo-intestine of rats after discontinuance of immunosuppressive agents." J Gastroenterology. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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