研究課題/領域番号 |
07457281
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
吉田 圭介 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (90018680)
|
研究分担者 |
川上 一岳 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (50195046)
川合 千尋 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (50186045)
|
キーワード | 胆嚢癌 / 胆汁脂質 / 膵管胆道合流異常症 / 胆石症 |
研究概要 |
平成8年度は症例の集積を継続し、脂肪酸分析を開始した。平成8年12月末日での集計結果を報告する。 I.症例集積状況:新潟胆汁脂質検討会(5施設)を通して、369症例を集積した。対照群を除き、胆道疾患352例(目標の70%)、良性疾患342例、悪性疾患10例(2.8%)、うち胆嚢癌5例(1.4%)である。 II.集計結果:1)胆石の種類別頻度;前年度に結石種類の診断が不正確と指摘されたので、赤外線分析施行例を対象に再検討した。コレステロール石58.6%、黒色石22.4%、ビリルビンカルシウム石(ビCa)16.4%、その他2.6%で、諸家の報告と一致した。肉眼診断の正診率は、コレステロール石90%、黒色石82%、ビCa石40.%であり、色素石の診断が困難であった。 2)胆汁中アミラーゼ活性;10,000IU/L以上の高アミラーゼ活性胆汁は、測定された胆道疾患268例中1.1%で、全国集計による膵管胆道合流異常症の頻度を若干下回った。 3)胆汁変異原性試験;計画の和歌山ではなく、同じく胆道癌死亡率の低い高知県の症例と、世界的に胆道癌の頻度が最も高いとされる南米チリ-の高地住民を対象として胆汁のAmes試験を行い、新潟の症例の陽性率がチリ-と同等で高知より有意に高いことを確認した。 4)胆汁中脂肪酸;HPLCによりリノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸が主要脂肪酸として検出された。しかし、濃度、相対比には個人差が大きく、症例の背景を含め、比較検討の条件設定が重要と思われる。 III.次年度の目標:症例数が目標に達していないので10月まで集積を継続する。胆汁脂質は症例の条件により著しく濃度が変動するので、胆嚢管閉塞や胆嚢炎など背景因子をきめ細かく検討の上、新潟地方胆石症患者の胆汁脂質の特徴を解析し、最終報告をまとめたい。
|