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超低体温循環停止法は、先天性心疾患や、胸部大動脈瘤に用いられている。しかし、時間的制限が存在するため、長時間に及ぶ循環停止は、中枢神経系に対する障害が問題になっていた。今回我々は、間歇的循環停止の総循環停止時間延長の可能性について、検討した。25匹のビ-グル犬を使用し、100ml/kg/minの体外循環にのせ、鼻咽頭温18度まで温度を下げた。それぞれの動物は、そのまま約3時間、超低体温のままの状態とし、その間に、Goup1:循環停止を行わない群、Goup2:40分循環停止を行う群、Goup3:60分循環停止を行う群、Goup4:80分循環停止を行う群、Goup5:20分循環停止を行い、引き続き、10分の再灌流を行うサイクルを、6回繰り返す群(総循環停止時間120分)に分けた。近赤外分光法にて、循環遮断間後の、酸化ヘモグロビンは、循環停止とともに経時的に減少し、Goup2.3.4では、平均値24.9分で、plateauとなり、それ以降のOxyHbの減少は、認められず、脳組織への酸素の供給ができない状態になっていると考えられた。それに対し、間歇的循環停止は、OxyHbの減少して、plateauになる前に、再灌流が始まり、10分の再灌流の間に、循環停止前のレベルにOxyHbが回復していることが観察された。この実験期間の終了後、動物は、鼻咽頭温35°Cまで復温し、脳組織を採取し、ミトコンドリア呼吸商と乾湿重量比を測定した。ミトコンドリア呼吸商では、Group4が、有意に低値を示したが、総循環遮断時間が120分に及ぶ、Group5では、ミトコンドリア呼吸商は良好に保たれていた。また、乾湿重量比はGroup5のみ有意に低く、脳浮腫が軽度であった。我々の結果から、間歇的循環停止は、長時間、循環停止を必要とする手術において有用なoptionとなりうる事が示唆された。
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