研究分担者 |
松森 保道 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
近藤 和也 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10263815)
高橋 敬治 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60236271)
宇山 正 徳島大学, 医学部, 助教授 (00168759)
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研究概要 |
クロムに暴露した肺癌症例19例に関して、p53遺伝子の異常を検索した。クロム肺癌のp53遺伝子の異常の頻度は19例中4例(21%)と低かった。p53遺伝子以外の遺伝子について検索している。ras遺伝子と3p,5q,9p,11pのLOHとgenetic instabilityに関して検索中である。 1) クロム肺癌24例のパラフィン包埋材料よりDNAを抽出し、K-rasのcodon12,13の領域について、PCRにて増幅し、制限酵素BstNIにて切断した。wild typeのK-ras codon12は、BstNIにて切断されるが、mutant K-rasは切断されない。次に、切断された断片に対して同じprimerにてPCRをかける。少しでも切断されていない断片が残っていると増幅される。この方法(Enriched-PCR)を使うと、高感度でK-rasの点突然変異を検出することができる。パラフィン包埋材料より抽出したDNAでPCRにて増幅できたのは、14例であった。そのうち1例がK-rasのcodon12に点突然変異を認めた。現在、capillary PCRを使って増幅している。また、codon13については、制限酵素PflmIにて検索中だある。 2) クロム肺癌24症例の腫瘍部と非腫瘍部よりmicrodissectionにてDNAを抽出した。腫瘍部と非腫瘍部に関して3p領域の3つのmicrosatellite marker(D3S647,D3S1289,D3S966)にてLOHとgenetic instabilityを検索中である。
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