研究課題/領域番号 |
07457301
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
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研究分担者 |
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (40199691)
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
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キーワード | 静-動脈バイパス / 両心バイパス / 人工肺 / プロスタグランディン / エピネフリン / ノルエピネフリン / 肺循環 / 呼吸補助 |
研究概要 |
平均体重49kgの成山羊3頭を用い、まず拍動型補助人工心臓による両心バイパスを作製し、術後2週間の時点で、常温、覚醒下に補助人工心臓と人工肺を用いて静動脈バイパスに切り替えた。肺動脈を絞扼して、肺動脈血流量の全灌流量に対する割合を100%から50、25、10、0%に変化させ、それぞれ2時間の灌流を行った。その結果、肺動脈血流量の減少に比例して平均大動脈圧は、肺動脈血流量100%時の111±12mmHgから、0%時の62±6mmHgに有意に低下し、体血管抵抗も1089±95dynes・sec・cm-5から650±150dynes・sec・cm-5に有意に減少した。血中プロスタグランジンE2濃度は肺血流量の減少に比例して2.1±1.6pg/dlから12.5±2.1pg/dlに増加し、レニン活性およびアンギオテンシンI、II濃度も、同様に段階的な増加を示した。一方、血中エピネフリンおよびノルエピネフリン濃度は、肺動脈血流量が10%の条件までは著変を認めなかったが、肺動脈血流の完全遮断にて、エピネフリンでは60±28pg/dlから442±285pg/dlに、また、ノルエピネフリンでは307±194pg/dlから628±519pg/dlへと著しい増加を示した。静動脈バイパスによる心肺補助施行時には、肺血流の減少に比例した血行動態上の変化を招来することが示された。また、血管作動性物質の血中濃度も著明に変化し、さらにそれらの変化の様式が一様ではないことが明らかになった。
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