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1997 年度 実績報告書

サイトカン遺伝子導入グリオーマ細胞におけるシグナル伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07457312
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉田 純  名古屋大学, 医学部, 教授 (40158449)

研究分担者 萩原 正敏  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10208423)
若林 俊彦  名古屋大学, 医学部, 講師 (50220835)
キーワード脳腫瘍 / インターフェロン / 腫瘍壊死因子 / 遺伝子 / リポソーム / NF-κB / リン酸化蛋白 / シグナル伝達
研究概要

インターフェロンおよび腫瘍壊死因子の遺伝子を導入することで蛋白の添加の場合よりはるかに強い抗腫瘍効果が誘導された。遺伝子を導入された細胞の一部はTUNEL法で陽性所見を示したため、その細胞死にアポトーシスの関与が強く示唆されたが、本年度はインターフェロン-β(IFN-β)遺伝子導入から細胞死に至るまでの過程をビデオ型微分干渉顕微鏡でとらえることに成功した。その結果IFN-β遺伝子が導入された細胞は遺伝子導入後約48時間でネクローシスとは全く異なった死に方をすることが視覚的に確認された。しかしながら抗Fas抗体によるアポトーシスとは若干異なった点もあり、現在詳細に検討中である。一方マウス脳腫瘍モデルを用いたin vivo実験でIFN-β遺伝子導入により導かれる抗腫瘍効果のメカニズムとして(1)HuIFN-β遺伝子による直接的な抗腫瘍効果、(2)産生・分泌されるHuIFN-βによる間接的な抗腫瘍効果、(3)宿主の免疫の賦活化の3つが見い出された。本年度はin vivoにおける免疫賦活化をさら詳細に調べるため、T細胞系免疫をもつC57BL/6マウスにマウスグリオーマ細胞であるGL261細胞を移植して得られるマウス脳腫瘍モデルに対してマウスIFN-β遺伝子を発現するプラスミドベクターを投与する実験を行った。その結果、マウスIFN-β遺伝子投与群ではCD3、CD4、CD8陽性細胞やNK細胞の多数の浸潤を腫瘍内あるいは腫瘍周辺に認めた。しかもその細胞浸潤は遺伝子導入後2週間以上持続した。一方マウスIFN-β投与群ではわずかな細胞浸潤を認めるのみであった。またこの細胞浸潤は1週間以内に消失した。現在なぜ遺伝子導入と蛋白投与とでこれほどの違いがあるのかについてIFN-β遺伝子導入より誘導される細胞死との関連を中心に検討している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Wakabayashi T et al: "Antitumor activity of recombinant human tumor necrosis factor-α(rH-TNFα)and liposome-entrapped rH-TNFα." Neurologia medico-chiruugica. 37. 739-746 (1997)

  • [文献書誌] Ohta S et al: "Augmentation of anti-Fas antibody-mediated apoptosis on human glioma cells by liposomes associated with the anbtibody." J Neuro-Oncology. 35. 7-11 (1997)

  • [文献書誌] Muro Y et al: "Low Frequency of Autoantibies against Ki-67 Antigen in Japanese Patients with Systemic Autoimmune." Journal of Autoimmunity. 10. 499-503 (1997)

  • [文献書誌] Watanabe Y et al: "Characterization of a Serum Response Factor-Like Protein in Saccharomyces cerevisiae,Rlm1,Which Has Transcriptional Activity Regulated by the Mpk1(Slt2) Mitogen-Activated Protein Kinase Pathway" Mol Cell Biol. 17. 2615-2623 (1997)

  • [文献書誌] Yoshida J et al: "Cytolysis of malignant glioma cells by lymphokine-activated killer cells combined with anti-CD3/antiglioma bifunctional antibody and tumor necrosis factor-α." J Surg Oncol. 62. 177-182 (1996)

  • [文献書誌] Yoshida J: "Molecular neurosurgery using gene therapy to treat malignant glioma" Nagoya J.Med.Science. 59. 97-105 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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