研究課題/領域番号 |
07457315
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
渡辺 高志 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00175100)
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研究分担者 |
紙谷 秀規 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (70194967)
近藤 慎二 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (60192069)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 脳虚血 / 神経細胞 / 血管内皮 / アラキドニ酸 / 12-リポキシゲナーゼ |
研究概要 |
我々は、^<14>Cでアラキドン酸から|″C|12ヒドロペルオキシエイコサテラエン酸(12-HPETE)と|″C|12ヒドロエイコサテトラエン酸(12-HETE)を作成した。そして|″C|12-HPETEを犬の大槽内へ注入し、3時間、6時間、1日、5日、10日、20日後に脱血灌流して脳を摘出し、オートラジオグラフィーにてその動態を明らかにした。3時間後には既に脳表、クモ膜、血管壁に集積があり、特に脳底動脈周囲に強い集積を認めた。大槽内へ注入された12-HPETEの放射活性が、30分後には血液中にも検出され、4時間から1日で投与量の20-25%に達した。更に、|″C|アラキドン酸も含めて|″C|12-HPETEとl^<14>Cl12-HETEをヒト臍帯静脈血管内皮細胞培養に投与して、添加物の内皮細胞当りの取り込み量と速度、及び細胞数の経時変化を調べた。各物質10^8Mを加えた場合、細胞1個当りの取り込み速度は、アラキドン酸では6.9×10^7分子/時間、12-HPETEでは2.9×10^6分子/時間、12-HETEでは2.1×10^6分子/時間であった。この時のアラキドン酸取り込み量の最大は、添加後12時間で、細胞1個当り3.5×10^7分子、12-HPETEでは38時間後で1.3×10^7分子、12-HETEでは38時間後で1.8×10^7分子であった。そして10^5Mの濃度までは、容量依存的に血管内皮細胞へ取り込まれた。この間、各群の培養細胞数に有意の変化は見られなかった。アラキドン酸に比べて12-HPETE、12-HETEでは血管内皮細胞への取り込み速度が遅く、取り込み量も少なかった。取り込まれた12-HPETE,12-HETEは、細胞膜機能を障害したり、PRC活性を上昇するなどの可能性が考えられており、脳血管攣縮や動脈硬化の成因について考える上で興味深い。
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