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1995 年度 実績報告書

脳における免疫監視機構の特性と脳腫瘍の発生・増殖の解明および治療開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457316
研究種目

一般研究(B)

研究機関島根医科大学

研究代表者

山崎 俊樹  島根医科大学, 医学部, 助教授 (50201835)

研究分担者 長尾 聖一  島根医科大学, 医学部, 助手 (80180454)
亀井 勉  (財)島根難病研究所研究局, 研究部長
キーワード脳腫瘍 / 免疫 / カルシウム / 癌遺伝子 / 主要組織適合複合体抗原 / 治療 / 神経膠腫 / マクロファージ
研究概要

1.カルシウム(Ca)は癌遺伝子の活性化や腫瘍細胞増殖の情報伝達機構において重要な役割を担っている。我々は、実験的神経膠腫株を用い、独自に開発した顕微鏡下単一細胞の機械的刺激による細胞増殖システム系から神経膠腫の増殖プロモーションとCaシグナル機構を世界に先駆けて報告した。そして、神経膠腫では膜リセプターの関与する伝達機構の異常で細胞間Caシグナルの調節性が失われ細胞増殖が生じることを明らかにした。
2.一般に腫瘍の発生・増殖には宿主の免疫応答性が密接に関与する。脳細胞では他臓器の細胞と比べ主要組織適合複合体(MHC)抗原の膜発現性が乏しい特徴を示す。我々は、この脳細胞の特性と神経系腫瘍の癌化・分化に際し制御される癌遺伝子との関連性に着眼し、これらの相互間における発現制御機構について分子生物学解析を行った。そして、脳腫瘍動物モデルにおいてMHC抗原の膜発現性が癌遺伝子発現を制御しているとともに宿主の造腫瘍性に影響を及ぼしていることを明らかにした。
3.神経線維腫症I型(NF1)は優勢遺伝性母班症の1つであり、比較的高頻度に神経膠腫を合併する。その責任癌抑制遺伝子であるNF1遺伝子の異常が脳腫瘍の発生と関連して注目されている。これまでにNF1に併発した神経膠腫の2例とその他の腫瘍の6例について遺伝子解析を行ったが、NF1遺伝子の欠失、再構成あるいは制限酵素断片長多型などは認めていない。今後、症例を重ねて検討する必要がある。
4.抗腫瘍性や抗原提示能を有するマクロファージ(Mφ)の癌治療への応用が期待されている。我々は、悪性脳腫瘍に対するMφを用いた免疫療法の開発に関する基礎研究として、Mφが産生する腫瘍壊死因子や一酸化窒素の神経膠腫細胞に対する抗腫瘍効果の関与を明らかにした。これまでにこのような報告は見当たらない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 山崎俊樹: "グリオーマの増殖と脳の免疫応答." HUMAN CELL. 8. 99-106 (1995)

  • [文献書誌] 山崎俊樹: "一酸化窒素産生薬物(SIN-1)の神経インパルスに及ぼす電気生理学的作用に関する研究." 脳と神経. 47. 963-968 (1995)

  • [文献書誌] 山崎俊樹: "神経電気活動に及ぼす腫瘍壊死因子の作用に関する基礎的検討." 医学のあゆみ. 172. 411-412 (1995)

  • [文献書誌] Yamasaki T: "Brain Tumor Research and Therapy" Nagai M編集, Springer-Verlag press社, 11 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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