研究課題/領域番号 |
07457332
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
福田 眞輔 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20028559)
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研究分担者 |
勝浦 章知 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60214342)
井上 康二 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80213156)
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キーワード | 神経原性炎症 / 肥満細胞 / アジュバントラット |
研究概要 |
1.選択的脱神経ラットの作成 <方法>生後48時間のWistar-Lewisラットにカプサイシン(CS)(80mg/Kg)を皮下投与した。経時的に(24時間から7週)屠殺し尾骨椎間板周囲および尾骨椎体骨髄内のサブスタンスP(SP)陽性神経線維を免疫組織化学により検索し溶媒のみ投与した対照群と比較した。<結果>対照群で豊富に存在したSP陽性神経線維はCS投与群では椎間板周囲ならびに骨髄内共にほとんど染色されなかった。 2.アジュバント脊椎炎の作成 <方法>7週令選択的脱神経ラットおよび正常ラット尾椎にフロイドアジュバント(AD)を注射し経時的に(1週から4週)尾椎を採取した。<結果>正常ラットでは2週後より椎間板周囲および骨髄内に炎症性細胞の浸潤が観察された。脱神経ラットでは骨髄内の炎症は抑制されたが椎間板周囲炎症は抑制されなかった。 3.肥満細胞の光顕的観察 酸性トルイジン青染色で観察される肥満細胞(MC)は椎間板周囲においてアセチルコリンエステラーゼ陽性神経線維に接するもの(神経随伴MC)と神経線維と無関係なもの(フリーMC)の2種類があった。AD脊椎炎尾椎では両者共経時的に減少したが神経随伴MCにおいてその傾向が大きかった。 4.電顕的観察 正常ラット尾椎椎間板周囲のMCは、均一な大きな顆粒をもつ結合織性MCの像をしめした。AD投与1週では単球、リンパ球が出現しAD投与2週では脱顆粒がはじまり粘膜性MC様となり単球と接する所見もみられた。3週では脱顆粒はさらに進み周辺に細胞質突起が出現した。 以上から骨髄炎症は神経原性要素の関連が強いのに対し骨髄外炎症はこの関連が弱いこと、MCは炎症の進行につれて神経線維から遊離し脱顆粒することが推定された。
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