研究概要 |
1.触針とレーザ光線を併用する軟組織の変形量計測システムを開発し,高精度で半月板の変位量を測定することができた. 2.シミュレータに豚の膝関節を装着し,関節力を加える実験を行った.圧力センサーによって関節荷重の60%程度が半月板を介して関節軟骨間を伝達することを確認した.これに伴う半月板の外側への移動量は内側半月板で0.5mm以内であり,外側半月板で0.7mm以内であった.また荷重による半月板の回旋運動が計測された. 3.同じ装置を用い,関節力に加えて前後方力,内外側方力による半月板の変位量を測定した.その結果,半月板は膝関節の運動を調節し,不要な動きを制限して安定性を向上させることがわかった. 4.半月板を拘束している各種の軟組織を切除して同様の実験を行った結果,半月板はその前後角部における脛骨プラトーとの接合によって変位を制限されており,その拘束のために膝関節の安定性が保たれることがわかった. 5.半月板の変位に関係する軟骨との間の摩擦をピンオンディスク試験機で測定した.半月板の部位と摩擦方向によって摩擦係数に差異があり,特に大腿顆部関節軟骨とすべる部分の前後方向の摩擦係数が低かった.
|