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1997 年度 実績報告書

軟骨細胞・骨芽細胞・破骨細胞の力学的負荷応答.基質接着構造と細胞内情報伝達系の変動

研究課題

研究課題/領域番号 07457335
研究機関信州大学

研究代表者

江原 宗平  信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (40176780)

研究分担者 高岡 邦夫  信州大学, 医学部, 教授 (30112048)
キーワード軟骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨形成因子 / E-box / HLH型転写因子 / 力学的負荷 / shear stress responsive element / ノーザンブロッティング
研究概要

軟骨では軟骨細胞や未分化間葉系細胞、骨では骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞、骨髄間質細胞また未分化間葉系細胞などが細胞外基質よりの力学的負荷を感知し、その遺伝子発現の変化を通じて力学的負荷に応答している。軟骨や骨においては骨形成因子(Bone Morphogenetic Protein、以下BMP)は重要な役割を担っている。msBMP-4遺伝子のexon Iの5'端上流の解析を行い、転写開始点より-265 base pair(bp)から-246bpの領域にmsBMP-4遺伝子の転写に重要な転写因子結合配列E-box(CACGTG)が存在すること、さらにスーパーシフトアッセイ法を用いて、helix-loop-helix(HLH)型の転写因子の一つであるupstream stimulatory factor (USF)がこのE-boxに結合していることを同定した。さらに、この正の領域を含んでmsBMP-4の転写領域に正、負そして正の三つの転写調節領域があることを見い出した。転写開始点上流-690bpまでのデリーションにより転写活性が低下すること、さらに-266bpまでデリーションすると転写活性はほぼ回復すること、さらに-130bpまでのデリーションにより転写活性は再び著明に低下することを明らかにした。この結果はmsBMP-4の転写領域に転写開始点より5'端上流には三つのドメインであること、それぞれ正、負そして正の調節領域であることを示す。これはmsBMP-4遺伝子発現が複数のcis-acting elementを用いて精緻に制御されている可能性を示唆し、なかでも負の転写調節領域の存在はBMPの発現がサプレッサーによって抑制されていることを強く示唆する。このmsBMP-4遺伝子のexon Iの5'端上流には力学的負荷の応答するコンセンサスなcis-elementとしてshear stress responsive element(SSRE)-GAGACCが存在することを見つけている。その配列はexon Iの上流約-1550bp付近に存在する。現在これらのSSREが力学的負荷応答においていかに作用するのかについて検索している。骨芽細胞様細胞MC3T3E1では力学的負荷に対してnorthern blottingにてBMP-4の発現は変化を示さない。他の細胞系を含めてさらに力学的負荷に対する応答としてのBMPの発現また転写について詳細な解析を現在行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ebara et al.: "Transcriptional regulation of the mBMP4gene through E-box in the 5'flanking promoter region involving USF." Biochemical and Biophysical Research Communication. 240. 136-141 (1997)

  • [文献書誌] Ebara et al.: "Molecular mechanisms used in the regulation of aggrecan and link protein synthesis by chondrocyte." Am J Terapuetics. 3. 129-133 (1996)

  • [文献書誌] Ebara et al.: "Progressive degeneration of articular cartilage and intervertebral discs. An experimental study in transgenic mice bearing a type IX collagen mutation." International Orthopaedics. 20. 177-181 (1996)

  • [文献書誌] Ebara et al.: "Tensile properties of nondegenerate human lumbar anulus fibrosus." Spine. 21. 452-461 (1996)

  • [文献書誌] Ebara et al.: "Structure of the human aggrecan gene:exon-intron organization and association with the protein domains." Biochem J. 309. 535-542 (1995)

  • [文献書誌] Ebara et al.: "Instability of the spinal system with focus on degeneration of the intervertebral disk." Hayashi K, Kamiya A, Ono K,(eds)Springer-Verlag Tokyo, 251-82 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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