研究課題/領域番号 |
07457344
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
丹羽 滋郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70065530)
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研究分担者 |
加藤 知里 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90247693)
岩崎 慎一 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10160095)
奥村 猛 愛知医科大学, 医学部, 助手 (30214076)
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
三井 忠夫 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90065558)
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キーワード | 腸内細菌共通抗原 / 抗大腸菌抗体 / 慢性関節リウマチ |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)の病態についてはかなり解明されつつあり、慢性進行性破壊性関節炎の背景には複雑な免疫反応が密接にかかわっていると考えられている。しかし、免疫異常を起こす引き金については未だ不明である。本研究では大腸菌加熱死菌を用いた動物の慢性関節炎モデルが人のRAに類似した病態を呈することに着目し、RA患者血清について大腸菌0:14株加熱死菌に対する血清抗体価をELISA法を用いて測定した。RA患者群と健常者群のOD値の平均値はそれぞれ0.84±0.65,0.40±0.21でありRA群において有意に高い値を示した。又cut off値より高いOD値を示した群ではリウマチ因子(RF)とCRPは有意に高値を示した。またRA患者血清において大腸菌に対する血清抗体価の経時的推移について検討すると、OD値が変動した症例群ではOD値とRFは相関を認めた。また関節液中の大腸菌抗体価はRA群がOA群(変形性関節症)に比し有意に高値を示した。RA群の大腸菌抗体価の63.2%はOA群の抗体価のcut off値より高値を示した。 関節液中の抗体腸菌0:14抗体に対応する抗原の検出と滑膜組織内局在の免疫病理学的検討を行ったところ、精製抗大腸菌抗体を用いたサンドイッチELISA法で関節液中に抗原を検出することができた。また大腸菌35KD,38KD蛋白に対するモノクロナール抗体により、RA滑膜組織のマクロファージの胞体内に抗原が観察され関節内の抗大腸菌抗体対応抗原として腸内細菌共通抗原の存在が示唆された。 RA患者血清と大腸菌0:14加熱死菌粗抗原についての免疫化学的分析では大腸菌抗体陽性のRA患者と大腸菌0:14粗抗原とのイムノブロット解析では35KD,38KDのそれぞれに単独なバンドが明瞭に認められるもの、両者が同時にみられるの、いずれもバンドを認めないものとがあった。35KD,38KD蛋白のアミノ酸配列はそれぞれ大腸菌0:14と他の腸内最近間において分子相同性を示した。
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