研究課題/領域番号 |
07457347
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
太田 助十郎 秋田大学, 医学部, 講師 (90125708)
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研究分担者 |
秋山 博美 秋田大学, 医学部, 助手 (40261664)
水沼 隆秀 秋田大学, 医学部, 助手 (50261665)
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キーワード | 脳虚血 / グルタミン酸 / マイクロダイアリシス / リドカイン / くも膜下腔投与 / 海馬 / 大脳皮質 |
研究概要 |
酸素/笑気/イソフルレンの全身麻酔下に、SDラット(350g前後)の頭蓋骨に2小孔を開け、脳内グルタミン酸濃度測定用のマイクロダイアリシスバイオセンサーを脳定位的に右側海歯 CA1および左側大脳皮質へそれぞれ刺入した(CA1:Bregmaから尾側へ3.8mm、外側へ2.0mm、深さ2.5mm;Cortex:Bregmaから尾側へ3.8mm、外側へ6.0mm、深さ2.1mm)。一過性前脳虚血は頚静脈カテーテルからの脱血による低血圧(45mmHg)と両側頚動脈クランプを併用し10分間維持することで作製した。脳虚血の前・中・後のグルタミン酸濃度の測定は、酸素電極法によるマイクロダイアリシスバイオセンサーシステム(Model EES-800)を用いて行った。直腸温・脳温はほぼ37℃に保った。 結果:脳虚血開始とともに両領野のグルタミン酸濃度は迅速に上昇した。そのピークは虚血開始後10分の時点にあり、海馬CA1では158±79μM(mean±SD,n=8)、大脳皮質では86±22μM(n=6)であった。また、虚血後の再潅流ではいずれのグルタミン酸濃度も速やかにほぼ基線に戻るのが観察された。実験終了後は断頭して脳を取り出し、冠状切断してバイオセンサー刺入部位の正確性を確認した。 脳虚血時、ほぼ同一冠状面にある海馬CA1と大脳皮質ではグルタミン酸濃度上昇のピーク値が大きく異なったが、その意義と増加・減少パターンについてはさらに検討を要する。マイクロダイアリシスバイオセンサーシステムは原理的にH_2O_2発生による電位の強さからグルタミン酸濃度の測定を行っている。そのため、センサー内でのH_2O_2発生に脳内ドーパミンが影響を与えていないことを、あらかじめin vitroでチェックする必要があった。 以上の予備実験結果を踏まえ、マイクロダイアリシスバイオセンサーシステムの特性を把握しながら、次の「リドカインのくも膜下腔投与実験」へ移ることになる。
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