研究課題/領域番号 |
07457355
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 久美 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30198204)
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研究分担者 |
戸田 寛 京都大学, 医学研究科, 助手 (50263067)
森 健次郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (20025620)
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キーワード | 一酸化窒素 / cyclic GMP / 麻酔薬 / 小脳 / NMDA / グルタミン酸 / ニトロプルシッド |
研究概要 |
幼若ラット小脳薄片を、各麻酔薬の非存在下(対照)または存在下に、興奮性アミノ酸またはニトロプルシッドで刺激した後凍結し、粉砕後cGMP含量をRIAにて測定した。その結果、非刺激下のcGMP含量は、検討したいずれの麻酔薬でも変化しなかった。NMDA刺激標本のcGMP含量は揮発性麻酔薬のハロタン、イソフルランと静脈麻酔薬のチオペンタール、プロポフォール、ケタミンで抑制されたが、ミダゾラムでは変化しなかった。non-NMDA受容体および代謝型受容体にも作用するグルタミン酸で刺激した標本のcGMP含量は、ハロタン、チオペンタール、ケタミンと高濃度のプロポフォールで抑制された。NO合成酵素(NOS)を介さずにNOを遊離するニトロプルシッドによるcGMP生成は、チオペンタールおよびプロポフォールの高濃度でのみ抑制された。即ち、ベンゾディアゼビム系の以外の検討した麻酔薬はすべてNMDAによるcGMP生成を抑制し、ハロタン、イソフルラン、プロポフォール、ケタミンの作用点は受容体、またはNOSであり、チオペンタール(及び高濃度のプロポフォール)はNOによるguanylatecyclaseの活性化を抑制することが示唆された。 さらに、麻酔薬の作用点が細胞内カルシウム流入の抑制であるかNOSへの作用であるかを明らかにするため、NO生成量と細胞内カルシウム量を測定する実験をすすめている。現在の実験は血小板を用いているが、ヒト血小板浮遊液をprostaglandin I_2で処置し血小板凝集を抑制した条件下、カルシウムおよびL-アルギニンを投与すると、細胞内カルシウムが増加し、NOが生成される。このNO量をNO分析計(シ-バース社製)で測定し、細胞内カルシウム量を蛍光色素と分光光度計を用いて測定することにより、両者に及ぼす麻酔薬の影響について検討を開始している。
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