研究課題/領域番号 |
07457356
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒井 俊之 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80175950)
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研究分担者 |
牧野 圭祐 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50159141)
森 健次郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (20025620)
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キーワード | 脳虚血再潅流 / 活性酸素 / 遅発性神経細胞死 / スピントラップ剤 / 分子軌道 |
研究概要 |
脳虚血再潅流時の活性酸素生成並びにその後の組織障害に及ぼす酸素安定同位元素の影響を検討するための基礎実験として、以下の実験を行った。 1.砂ネズミ脳虚血モデルの作成 砂ネズミの両側頸動脈を脳外科手術用の小クリップで5分間閉塞し、血流再開後1週間目に脳を摘出し、脳虚血再潅流時の活性酸素生成による組織障害の典型例とされる遅発性神経細胞死(del ayed neuronal death,DND)の有無を免疫組織化学法(マップ11染色)にて調べたところ、ほとんどの症例でDNDが生じていないことが分かった。これでは、このモデルを用いる意味がないので、問題を解決すべく種々検討した結果、保持力の強いクリップを用い、かつ両側頸動脈の閉塞時間を10分間に延長すれば、ほど100%の例でDNDが発生することが分かった。 2.新しいスピントラップ剤の合成 既存のスピントラップ剤DMPOやM_4POは、毒性等の問題があるため、生体では使用できない。そこで、これらの化学構造を骨格にしてアルキル基の側鎖の長さを換えたり、官能基を導入することにより、生体に投与可能でかつ生体内で発生する活性酸素を選択的に補捉するスピントラップ剤の合成を種々試みた。その結果、M_4POのメチル基を一つ水素に置き換えたM_3POが生体に使用できる可能性が示された。 3.コンピュータを用いた分子軌道の計算 MOPACやGaussianといったプログラムを用いた分子軌道の計算に習熟した。
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