研究課題/領域番号 |
07457359
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
澄川 耕二 長崎大学, 医学部, 教授 (60028660)
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研究分担者 |
高松 俊子 長崎大学, 医学部, 助手 (90264241)
藤江 透 長崎大学, 医学部, 助手 (90190008)
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キーワード | 慢性装置埋め込み犬 / 麻酔薬 / カリウムチャネル開口薬 / 循環動態 / 冠血行動態 |
研究概要 |
雑種成犬を用いて慢性装置埋め込み犬を作製した。循環動態の測定には主としてクリスタルバイオテック社製心血行動態総合計測システム“VF-1"を用いた。犬を麻酔下に開胸しプローブとカテーテルを装着した。大動脈と肺動脈に圧測定、採血、血管内酸素飽和度測定用カテーテルを装着した。心電図は心尖部と心基底部にステンレス縒り線を縫着し心電図電極とした。これらのリ-ドワイヤーやカテーテル類は皮下をトンネルさせ頸背部皮膚より露出させた。手術侵襲からの回復に1〜3週間を要するが、この間研究者自信による注意深い飼育を行い、感染を防止するとともに、実験環境に馴れさせた。 心血行動態測定のための麻酔薬としてハロセン、イソフルレン、セボフルレン、を用いた。Kチャネル開口薬としてKRN2391、ニコランジルを用いた。Kチャネル遮断薬としてグリベンクラミドを用いた。麻酔薬単独、Kチャネル作動薬単独、両薬併用下でそれぞれ循環動態の計測を行相互作用を解析した。循環動態としては、全身血行(心拍出量、動脈圧、末梢血管抵抗)、冠血行(冠動脈経、冠血流量)、心筋酸素代謝、心室収縮性(左室圧1次微分値,局所心筋収縮能)の測定を行い、解析用コンピューターDaqLiteを用いて演算処理を行った。 Kチャネル開口薬は全身血管抵抗を減少させ、平均動脈圧を低下させた。冠血行動態については、伝導血管を拡張したが抵抗血管に対する作用は軽度であった。Kチャネル遮断薬は揮発性麻酔薬による血管拡張を抑制した。麻酔薬による血管拡張の機序としてATP感受性Kチャネル開口が関与することが示唆される。
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