研究概要 |
1.摘出犬脳動脈を2gの静止張力下に懸垂するとautomatic toneが観察されたが、腸間膜動脈ではみられなかった。このautomatic toneはvoltage-dependent Ca^<++>-channel blockerであるnifedipine(100nM)、細胞外Ca^<++>除去、及び低濃度ハロタン(0.5MAC)により完全に消失した。 2.脳動脈は静止張力でCa-activated-K channel阻害薬であるtetraethylammonium(TEA,10mM)およびcharybdotoxin(ChTx,100nM)により収縮した。一方、腸間膜動脈ではこれら阻害薬により有意な収縮は見られなかった。 3.ハロタンは脳動脈における上記の収縮を濃度依存性に抑制した。 4.Na-K ATPase阻害薬であるouabainの脳動脈作用に及ぼすハロタンの影響については現在実験中である。 5.平成7年度は主として血管張力の面からハロタンの脳動脈への作用を観察してきたが、平成8年度は細胞内CaおよびNa濃度、Ca turnoverを測定することにより、平滑筋細胞におけるハロタンによるion fluxの変化を解明してゆく計画である。
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