研究課題/領域番号 |
07457362
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
丸川 征四郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00030883)
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研究分担者 |
山内 順子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80216142)
尾崎 孝平 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50169281)
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キーワード | 急性呼吸不全、 / 呼吸管理、 / 換気力学、 / 腹臥位管理、 / 肺理学療法、 / 用手的呼吸介助 |
研究概要 |
現在、本研究の申請が承認されて約4ヶ月が経過した。新たに組み上げた測定系の安定性、測定精度、稼働状態の点検に大部分の時間を費やしている。さらに、研究代表者の救急部への配置換え(平成7年12月1日付け)、つづいて研究分担者の配置換えが起こり、集中治療部から救急部ICUで研究を再開する事となった。このため本格的な研究活動は平成8年度に入れば研究分担者が再び揃うため、積極的に推進する事ができる。 【研究実績】 この間、従来、測定報告の全くない用手的呼吸介助の換気力学に及ぼす影響についてpreliminary studyを行ったので、その結果を報告する。 【対象と方法】 腹臥位呼吸管理に併用する肺理学療法の中心である用手的呼吸介助を、その専門家であるリハビリテーション理学療法士が急性呼吸不全患者で行い、その効果を換気力学的に測定した。急性呼吸不全で呼吸管理施行中の12例を対象とした。仰臥位、気管内チューブ挿管、圧支持換気モードにて人工呼吸中である。 【結果】 (1)肺不全のため呼吸数が15/min以上の患者では減少し、一回換気量が増加した。 そのため分時換気量は正常値に近づいた。一方、呼吸数が少ない患者では、一回換気量と分時換気量が正常方向に改善した。 (2)呼吸回数の多い患者では、最大吸気及び呼気流速が正常に向かって減少した。 呼吸数の少ない患者では、最大吸気流速は増加し、最大呼気流速は低下し、それぞれ正常範囲い近づいた。 【考察】 これらの成績は、用手的呼吸介助が肺不全の異常な換気運動を正常範囲に近づける方向で作用すると推定できた。これは新知見であるため第23回日本集中治療医学会総会(1996. 1,横浜)において報告し、多くの注目を受けた。
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