【目的】急性呼吸不全における体位依存性肺酸素化能改善効果と用手的呼吸介助(MRS)の促進効果を換気力学的側面から分析することである。 【方法】人工呼吸補助下の自発呼吸で、腹臥位(あるいは前傾側臥位)に伴う換気力学的変化、換気パターンの変化を測定した。同時にMRS併用による影響を分析した。 【結果】現在のところ腹臥位による換気力学的変化は、個体差が大きく有意な変化を認めていない。MRSにより一回呼出量が増加し努力性呼気に匹敵するが、呼吸仕事量はやや少ないが有意でない。MRSによる一回呼出量の増加は下部胸郭に加えられた時に著しい。 【考察】急性呼吸不全の換気改善にMRSは有効である。換気力学的評価が定まらなかったのは、人工呼吸補助の程度や肺障害の程度が影響した結果と考えられる。また、MRSの効果も、施行者のテクニックによって著しく異なる。 さらに測定を重ね、分析を進める。
|