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1996 年度 実績報告書

心臓微小循環からみた局所麻酔薬ブピバカインの心筋抑制作用

研究課題

研究課題/領域番号 07457364
研究機関川崎医科大学

研究代表者

藤田 喜久  川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10144263)

研究分担者 木村 健一  川崎医科大学, 医学部, 講師 (90214874)
福井 明  川崎医科大学, 医学部, 講師 (50189924)
キーワード局所麻酔薬 / 合併症 / 心臓 / 心毒性 / 微小血管 / 心内膜 / 測定法 / 生体顕微鏡
研究概要

本年度はブタを対象として研究を行った。全身麻酔下に開胸し左冠動脈前下行枝の血流量およびその栄養領域の局所心機能を測定した。ブタを3群に分け,ブピバカイン、リドカイン、ブピバカインとリドカイン混合液のいずれか冠動脈内に注入した。心室細動はリドカイン群ではいずれの濃度でも起こらなかったが、ブピバカイン群ではリドカインとリドカイン混合液群に比べより少ない注入速度で心室細動が誘発された。すなわちリドカインはブピバカインの心室細動誘発闘値を上昇させると考えられた。ブピバカインとリドカインがNaチャンネルに対して競合し、ブピバカインによるNaチャンネルブロックはリドカインにより減弱されるというextendedreceptomodulatedtheoryは正しいことが証明された。一方、局所心機能についてみるとブピバカインとリドカインの混合液ではブピバカイン単独に比べて収縮率の抑制に有意な差がなかった。
拍動心の左室自由壁よりシースを介してニードル型プローブを挿入し、左冠動脈前下行枝により栄養されている左室中隔の心内膜微小血管を検索した。そして微小血管がモニター上に描出された時点で、ブピバカインを第一対角枝に留置したカテーテルを介して注入した。実験終了後、録画された画面上で画面にス-パインポーズされた左室圧信号を基準に収縮期末期の微小血管径の変化を測定した。ブピバカインは0.25,1.25,2.5,5,10μg/mLの濃度を注入したにもが微小血管径にはいずれも有意に変化しなかった。われわれはブピバカインの持続注入により冠動脈灌流圧が変わらないにも関わらず冠動脈血流量が減少することを報告したが、ブピバカインによる血管収縮作用は心内膜下微小循環(直径50-100μm)に対しては大きな役割を果たしていないと結論した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Fujita Y et al.: "Decreased coronary blood flow is not responsible for myocardial dysfunction during bupivacaine-induced cardiotoxicity" Acta Anaesthesiologica Scandinavica. 40・2. 216-220 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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