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1996 年度 実績報告書

精巣腫瘍におけるゲノム刷り込み異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07457370
研究機関京都大学

研究代表者

小川 修  京都大学, 医学研究科, 助手 (90260611)

研究分担者 寺井 章人  京都大学, 医学研究科, 助手 (50243019)
筧 善行  京都大学, 医学研究科, 講師 (20214273)
寺地 敏郎  京都大学, 医学研究科, 講師 (50207487)
吉田 修  京都大学, 医学研究科, 教授 (70025584)
キーワード精巣腫瘍 / ケノム刷り込み
研究概要

精巣腫瘍はcytogenetic studyの結果においてX染色体、Y染色体両方を持っている事より、減数分裂以前の胚細胞から発生すると考えられている。また異数体を示すことが多いが、その組織型毎のパターンより、腫瘍発生の初期段階はcommon pathwayを通っており、その後のgeneticもしくはepigeneticな変化によりその組織型が変化していくと考えられている。42症例を用いた我々の実験では、刷り込み遺伝子であるH19遺伝子が全例、両対立遺伝子から均等に発現しており、また精巣腫瘍全体としてはヘテロ接合性消失における欠失アレルの親由来に偏りが見られなかった.精巣における生殖細胞は父母より受け継いだ刷り込みが消され、新しく父親型の刷り込みが行われる場であり、ここより発生する精巣腫瘍の刷り込み異常を判定するのは困難である.しかし、マウスにおける解析では、父母より受け継いだ刷り込みは胚細胞が生殖隆起に到達するまでの早い時期に消失し、spermatogenesisisのかなり後期に新しい刷り込みがなされることが示唆されている.ヒトにおいてのゲノム刷り込みのタイミングがマウスと同様であるかは不明であるが、我々は、精巣腫瘍に見られるbiallelic expressionは、他の固形腫瘍で見られるような癌発生の原因、又は結果としての遺伝子刷り込み現象の消失ではなく、その発生母地である刷り込みの消失した胚細胞の性状を反映していると推測している.さらに、spermatogenesisにおける再刷り込みの障害が腫瘍発生に関与する可能性もあると考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小川修,三品睦輝、吉田修: "刷り込み遺伝子の活性化と細胞の癌化" 日本臨床. 53. 1009-1016 (1995)

  • [文献書誌] 小川 修: "ゲノムインプリンティング異常と癌" Human Cell. 9. 37-42 (1996)

  • [文献書誌] Mishina M,Osamu Ogawa Yoshida O et al: "Equivalent arrental Ditribition of Fraquently Lost Allele and Biallelic Expression oof the Hla Gene in Human Tectialar Germ Cell Towors" Japanese Journal of Cancer Reserach. 87. 816-823 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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