研究課題/領域番号 |
07457373
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
守殿 貞夫 神戸大学, 医学部, 教授 (30030935)
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研究分担者 |
原 勲 神戸大学, 医学部, 助手 (10263378)
荒川 創一 神戸大学, 医学部, 助教授 (70159490)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | in vivo遺伝子導入 / 膀胱注入 / 遺伝子治療 / direct instillation |
研究概要 |
基礎研究 膀胱が閉鎖腔であることに着目すると、効率的な遺伝子導入が可能であるならその治療的意義は極めて大きい。我々は膀胱に直接遺伝子を注入することにより効率的に遺伝子を導入しうる方法を、基礎実験と応用実験の両面から検討した。まず初めにラットおよびマウスの膀胱上皮細胞への遺伝子発現効率を、a)リン酸カルシウム沈殿法、b)リポフェクチン法、c)アデノウィルスベクター法で検討した。アデノウイルス法で発現効率はもっとも高く、安定した発現が認められた。膀胱癌細胞においては正常細胞に比べ、若干効率が高かった。また尿が遺伝子導入に与える影響を検討するため、transfection時にそれぞれpH、電解質組成の異なるひとの無菌化尿を無血清培地と混合し、投与を行った。リポソーム法、アデノウイルス法はそれぞれ細胞に対する親和性を保っていると考えられたが、リン酸カルシウム沈殿法では沈殿の形成に影響が考えられ、発現は極めて低かった。また条件により細胞死が引き起こされた。 応用研究 マウス膀胱にカテーテルを挿入し、リポソーム法およびアデノウィルス法により遺伝子の膀胱注入を行った。2時間の留置後クランプを開放し、48時間後に膀胱を摘出、凍結切片をX-gal処理し発現を検討した。各切片で発色している細胞数はせいぜい2-3個であり、極めて発現が低かった。発現効率を高めるために膀胱に対する前処置の必要性が考えられ、DMSO.PEG6000、アドリアマイシンなどにより前処置を行ったが、アドリアマイシシを除き特に発現効率は高まらなかった。アドリアマイシシでは、有意ではなかったが発現細胞が増加していた。 膀胱における遺伝子導入においてin vitroおよびin vivo系の違いは、細胞間結合、免疫系の関与、刑胞表面積など多岐にわたる。より効率的な遺伝子導入が可能な系を確立するためには、さらに検討を加える.必要があると思われた。
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