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1996 年度 実績報告書

哺乳類配偶子における免疫関連分子の発現と卵透明帯の機能に関する生物学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07457381
研究機関東京大学

研究代表者

森 庸厚  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40012760)

研究分担者 佐藤 英明  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80093243)
キーワードFas / Fas ligand / Apoptosis / 卵巣 / 卵子 / 顆粒膜細胞 / 卵胞閉鎖 / 卵透明帯
研究概要

マウス卵巣における閉鎖卵胞形成の分子機構の解明を進め、この機構がアポトーシスによる細胞死の機序によって主に推進されていることを見いだしてきた。とりわけFas/Fas Ligand(Fas L)システムの発現とその役割に焦点を絞り検討した。その結果Fasは卵母細胞、過排卵卵細胞や、ある段階での顆粒膜細胞に発現し、Fas Lは顆粒膜細胞に局限して発現していることを確認した。さらにこれらFas/Fas Lの発現はゴナドトロピン(FSH)によって制御されていることも見いだしている。分子レヴェルでの発現を検討するめたにFas/Fas L RNAプローブを作成し、insitu hybridization、RT/PCRでtranscriptionalレヴェルでの発現を調べた。同時に抗Fas/Fas Lモノクロナール抗体やアフィニティー純化抗体を使用してtranslatioanlのレヴェルでの発現を蛍光抗体、酵素抗体法で検討した。さらに、バキュロウイルス-昆虫細胞(Sf9細胞)の系でFas LをSf9細胞上に高度に発現させ、卵透明帯を除去した卵子に反応させると、卵子のアポトーシスを誘導できることを発見した。Fas Lを発現している顆粒膜細胞と卵子との試験管内反応でも同様の結果を得た。逆に、卵透明帯が付着している卵子には顆粒膜細胞やSf9-Fas L細胞によりアポトーシスを誘導することはできなかった。ヒトの卵巣において卵母細胞にFasが発現しているとの他家の報告ともあいまって、これらの実験結果を総合すると、哺乳類の卵巣におけるFas/Fas Lシステムはこれまで長い間謎とされてきた閉鎖卵胞形成機序の最初の誘発分子として働いていることを解明できたと考える。そして、排卵卵子とはおそらく卵透明帯の完成によってこのFas/Fas L分子間相互間が遮断、停止されたものであることが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] XuJP,Mori T.et al: "Expression of Fas ligand mRNA in murine ovary" JSIR. 10. 63-64 (1996)

  • [文献書誌] GuoMW,Mori T,et al: "Expression of Fas-Fas ligand system in murine ovary and its yole for atresia through apoptosis" J.Reprod.Dev.(in press). (1997)

  • [文献書誌] Mori T.et al: "Expression of Fas-Fas ligand system associated with atresia through apoptosis in murine ovary" Hormone Res.(in press). (1997)

  • [文献書誌] Mori E,Mori T,et al: "Zonapellucida-binding protein,Sp38,tromboarsperm" J.Reprod.Dov.(in press). (1997)

  • [文献書誌] GuoMW,Mori T,et al: "Expression of Fas ligand in murine ovary" Am.J.Reprod.Immunol. (in pross). (1997)

  • [文献書誌] Mori,T.et al: "Molecular mechanisms in mammalian fertilization" J.Mamm.Ova Res.(in press). (1997)

  • [文献書誌] 森 庸厚,他: "生殖生理と免疫〜生殖現象における免疫系の役割" MEDICAL VIEW, 141 (1996)

  • [文献書誌] 森 庸厚,他: "マウス胚の操作マニュアル(改訂II)" 近代出版(in press), (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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