研究課題/領域番号 |
07457387
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
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研究分担者 |
橋本 一昌 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
鮫島 義弘 大阪大学, 医学部, 助手 (30231351)
上浦 祥司 大阪大学, 医学部, 助手 (10243213)
大橋 一友 大阪大学, 医学部, 助手
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 助教授 (90093418)
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キーワード | オキシトシン受容体遺伝子 / クローニング / 分娩 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
分娩に際して、子宮筋のオキシトシン感受性が急激に増加することは、種差をこえて認められる。また、オキシトシンは、子宮筋のみでなく、中枢神経系・乳腺・卵巣・子宮内膜にも存在し、様々な生理作用を持つことが知られている。これらの生理作用を解析するうえで、時期あるいは臓器特異的なオキシトシン受容体(OTR)の発現調節機構の検討とモデル動物の作成を目的として、129SVマウス由来ゲノムライブラリーより、マウスオキシトシン受容体(mOTR)遺伝子をクローニングした。mOTR受容体遺伝子は、4個のエクソンと3個のイントロンから構成され、得られた塩基配列より予想されたアミノ酸配列は、388個のアミノ酸より構成される7回膜貫通蛋白で、hOTRと91%の類似性を有していた。mOTR遺伝子は、ヒトと同様に、4個のエクソンと3個のイントロンから構成され、エクソン1.2は非翻訳領域に相当し、エクソン3.4に翻訳領域は含まれていた。転写開始点より上流約1.6kbに含まれる、既知の転写因子の結合部位配列を解析した結果、エストロゲン反応エレメントEREや炎症性サイトカインに関連したNFIL-6、NFkB結合部位が存在した。さらに、転写調節領域において、種差をこえた類似性をもつ塩基配列がみとめられた。また、妊娠時子宮筋におけるOTRmRNA発現は、妊娠16日齢より増加し、分娩当日に急激な増加をみとめた。以上より、マウスでも、ヒトと同様に、性ステロイドや炎症による発現調節の可能性が示唆された(Mole.C ell.E ndocrinol.)。現在、このクローンを用いた転写調節機構の検討や、ターゲッティング用ベクターを作成中である。
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