研究課題/領域番号 |
07457389
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
青野 敏博 徳島大学, 医学部・, 教授 (50028445)
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研究分担者 |
漆川 敬治 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80243682)
苛原 稔 徳島大学, 医学部, 講師 (20160070)
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キーワード | 卵胞発育 / 排卵誘発 / 卵胞刺激ホルモン / 卵胞刺激ホルモン放出ホルモン / 多胎妊娠 / 卵巣過剰刺激症候群 |
研究概要 |
平成7年度の研究によって、FSH製剤にGnRH製剤を組み合わせた治療法(FSH-GnRH療法)が発育卵胞数を減少させ、排卵誘発治療中の副作用を軽減することができる可能性が示唆された.そこで平成8年度はFSH-GnRH療法の臨床的有効性を検討した. 性腺刺激ホルモン分泌不全を原因とする無排卵症と診断された不妊婦人を対象として、患者の同意を得た上でFSH-GnRH療法(18例39周期)、また対照としてFSH単独療法(16例、16周期)を行い比較検討した.FSH-GnRH療法は月経5日目よりFSH150単位/日を連日投与し、卵胞径が11mmになった時点からGnRHのパルス状投与法に変更し成熟卵胞が得られたらhCGを投与し排卵誘発を行った。いっぽうFSH単独療法では月経5日目から成熟卵胞が得られるまでFSH150単位/日を連日投与した.(1)排卵率、妊娠率はFSH-GnRH療法で各89.7%、22.2%、FSH単独療法で96.4%、18.8%と治療法間で有意差は無かった.(2)成熟卵胞数はFSH-GnRH療法で1.3±0.6個(平均±標準偏差)、FSH単独療法で3.9±1.5と有意差を認め、FSH-GnRH療法は成熟卵胞数が自然周期に近いことが分かった.(3)排卵誘発治療に伴う副作用は卵巣過剰刺激症候群と多胎妊娠が主たるものであるが、卵巣過剰刺激症候群についてはFSH-GnRH療法で0.0%、FSH単独療法で25.0%と有意にFSH-GnRH療法で少なかった。多胎妊娠はいずれの治療周期でも認めなかった.(4)治療中の血中FSH値の推移を検討すると、FSH-GnRH療法群はFSH単独療法群に比較して排卵前期のFSH濃度が有意に低下し、このFSHの低下が発育卵胞数の現象につながると考えられた.以上の成績よりFSH-GnRH療法は排卵誘発治療中の副作用軽減に関して有用であると考えられた.
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