研究課題/領域番号 |
07457402
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 春雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (20026917)
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研究分担者 |
横畠 悦子 高知医科大学, 医学部, 助手 (80271097)
中谷 宏章 高知医科大学, 医学部, 講師 (60172334)
竹田 泰三 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50115763)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / HRP / マイクロスフェア / 逆行性輸送 / 薬物的減荷 |
研究概要 |
1.モルモット正常動物においてはコントロール13匹において全例、後頭蓋窩に注入したマイクロスフェアが膝部まで認められた。しかし、虚血性顔面神経麻痺動物モデルでは(完全麻痺、不完全麻痺群)、麻痺作成後3日では後頭蓋窩に注入したマイクロスフェアは観察できなかった。しかしこの完全、不完全麻痺動物群にグリセオールを投与すると、麻痺群では見られなかったマイクロスフェアが顔面神経膝部、鼓室部に観察された。これらより、グリセオールによる経頭蓋内顔面神経管減荷による組織膨化減弱のためマイクロスフェアが顔面神経末梢まで侵入していくことが分かった。以上よりグリセオールによる顔面神経浮腫軽減効果を組織学的に実証できた。 2.虚血性顔面神経麻痺動物モデル作成3、7日目に顔面神経茎乳突孔部にHRPを塗布し24時間後に還流固定し、側頭骨内顔面神経、顔面神経神経核においてHRPの分布をみた。 不完全麻痺群では3日目、7日目とも側頭骨内顔面神経、顔面神経神経核においてHRPが牽出された。しかし高度麻痺群においては7日目にはいずれもHRPは検出できず、3日目においては側頭骨内顔面神経、顔面神経神経核いずれにも50%にHRPが検出された。以上より不完全麻痺群では逆行性軸索輸送には明らかな影響を及ぼさないが、高度麻痺群では3日目前後から逆行性軸索輸送が途絶え始め、7日目にはほぼ完全に停止することが分かった。麻痺程度と顔面神経機能にたいする影響は完全麻痺と不完全麻痺とでは異なり、逆行性軸索輸送は顔面神経の機能を表す一つの尺度になると考えられる。
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