研究課題/領域番号 |
07457406
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
市川 銀一郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (40053061)
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研究分担者 |
原 治 順天堂大学, 医学部, 助手 (50245750)
中川 雅文 順天堂大学, 医学部, 助手 (70198042)
桜井 淳 順天堂大学, 医学部, 講師 (60187078)
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キーワード | 聴性誘発反応 / 聴性脳幹反応 / 聴性中間反応 / 頭頂部緩反応 / 双極子 |
研究概要 |
1)聴性脳幹反応:音刺激後約6msec.の反応である第V波に安定した双極子が認められた。双極子の個数は1個で正中線近傍深部に双極子が認められ、さらにこの双極子の位置は音刺激側の反対側に存在する傾向が見られた。また双極子の方向は上前方に向かい、中脳が関与している可能性が考えられた。 2)聴性中間反応:P0成分、Na成分、Pa成分、Nb成分、Nc成分に双極子が認められた。経時的に見ると後半成分になるに従って双極子の位置が頭頂部に近くなる傾向にあった。双極子の個数は3個またはそれ以上と考えられ、その内の2個は側頭部に存在するが双極子の方向については不安定であった。聴皮質を含む多くの部位が起源となっていると考えられた。 3)頭頂部緩反応:音刺激後約90msecのN1成分、約150msec.のP2成分、N2成分に安定した双極子が認められた。N1成分は両側側頭部に、またP2成分は頭頂深部に、N2成分は前頭部に双極子が認められた。頭頂部緩反応の起源は聴皮質から視床、前頭葉に至る過程が考えられた。 4)双極子の方向については意味するところが不明ではあるが、現在のところ聴性脳幹反応第V波が上前方に、また頭頂部緩反応N1成分が後下方に、P2成分が上前方に向かうことが確認された。 上記の結果より、今回の聴性誘発反応の双極子のを検討したことにより、脳幹部から大脳皮質に至るまでの聴覚伝導路の存在と起源が解明されてきたと言える。
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