ニルバジピンを、正常眼圧緑内障患者に低容量投与(4mg/日)し、prospectiveにNB_<ONH>を測定したところ、投与前に比べそれは、2週、4週及び8週後に約平均10〜15%増加した。猿眼2眼でアルゴンレーザー隅角照射による実験的緑内障を作製しカルシウム拮抗剤(プラニジピン)含有飼料にて飼育してNB_<ONH>を測定したが、実験的緑内障眼ではNB_<ONH>に変化が見られなかった。正常人有志者で、視神経乳頭(NB_<ONH>)、傍乳頭脈絡膜(NB_<ch>)末梢血流量に対する、現在汎用されている抗緑内障剤、2%カルテオロール、0.5%チモロール、0.5%ベタキサロールの1回及び1日2回3週間点眼の効果を検討した2%カルテオロールは3週間点眼で、両眼のNB_<ONH>を有意に増加させたが、他の2剤はNB_<ONH>に対して効果がなかった。同様にカルシウム-拮抗剤、セモチアジル、及びセロトニン拮抗剤、アンプラーグ、を若年正常者に、常用量を一週間投与し、その効果を検討したがNB_<ONH>、NB_<ch>とも変化が見られなかった。家兎眼においても、各種抗緑内障剤、カルシウム-拮抗剤の長期(3週間)又は1回投与のNB_<ONH>又はNB_<ch>に対する効果を検討した。点眼側にのみNB_<ONH>を増加させ、対側コントロール眼には効果のなかったものは、0.5%ベタクソロール、0.5%チモロール、0.25%ニプラジロールであり、片眼点眼で両眼NB_<ONH>を増加させたのは2%カルテオロール、両側に効果の見られなかったものは0.05%ブナゾシンであった。カルシウム-拮抗剤ではNB_<ONH>に対しては、ニルバジピンが最も増加効果を示し、ニカルジピン、セモチアジルは効果がなかった。
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