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1996 年度 実績報告書

網膜における糖輸送担体の機能及び発現制御機構に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457416
研究種目

基盤研究(B)

研究機関杏林大学

研究代表者

渡邉 卓  杏林大学, 医学部, 助教授 (00191768)

研究分担者 永松 信哉  杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
廣澤 一成  東京大学医科学研究所, 微細形態研究部, 教授 (30009980)
キーワードRetina / Glucase Transpoter / Development
研究概要

今年度の研究実績の概要は以下のごとくである。
(1)網膜におけるGLUT1に関する検討
成体ラット網膜におけるGLUT1の発現についてはすでに詳細な報告があるが、その発生に関する詳細な報告がみられないことから、今年度は発生期網膜におけるGLUT1の発現を中心とした検討を、GLUT1特異的な抗体を用いた免疫蛍光染色により行った。その結果、網膜の原基である神経管の未分化な神経上皮細胞にGLUT1はすでに強く発現しており、これは同細胞の網膜細胞への分化の進行とともに徐々に失われてゆくこと、そしてすでに知られているように、成体網膜におけるGLUT1の発現はmininum levelにあることが明らかとなった。一方、神経管由来のもう一つの組織である色素上皮細胞におけるGLUT1の発現は、その発生の初期より成体に至るまで一貫してみられた。このように網膜発生におけるGLUT1の発現は網膜細胞の分化度と反比例することが判明したが、これは、昨年度我々が明らかにした網膜におけるGLUT3の発現とreciprocalな関係にあるものと考えれ、興味深い。
(2)網膜におけるGLUT2に関する検討
我々はこれまで、全身の血糖のコントロールに重要な役割をはたすGLUT2が、網膜に特有なミューラーグリア細胞の尖足端に局在することを報告してきたが、今回はその発生の過程を、GLUT2特異的抗体を用いた免疫蛍光染色により検討した。その結果、GLUT2は眼杯形成の直後より神経網膜の後部端に限局した発現パターンを示し、基本的には成体網膜に至るまでこの発現パターンが維持されていることが明らかとなった。GLUT2の発現開始と脈絡膜血管発生の時期がほぼ一致することから、両者の密接な関係が推測されるが、GLUT2の発現とミューラーグリア細胞の発生分化との関連など、今後検討すべき課題も多いと考えている。
(3)GLUT発現調節機構の回析
a.昨年にひき続き、ストレプトゾトシン投与による糖尿病モデルラットを作製、このラットの網膜におけるGLUT1、GLUT2、GLUT3の発現量をタンパクレベルで検討した。この結果、少なくとも比較的短期(一週以内)の高血糖により、GLUT1およびGLUT3発現量の低下とともにGLUT2発現量の増加がみられたることを確認した。
b.昨年にひき続き、低血糖がGLUTの発現に及ぼす影響を検討するための基礎的検討を行い、インシュリンの持続注入による低血糖モデルの作製に成功した。これにより、低血糖時の網膜におけるGLUTタンパク量は、高血糖時のそれと逆の動きを示すことを明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Watanabe T.et al.: "Localization and contogeny of GLUT3 expression in the rat retina" Develpmental Brain Research.94. 60-66 (1996)

  • [文献書誌] Watanabe T.et al.: "Differentiation and morphogenests in pellet cultures of developing rat retinal cells." J.of Camparative Neurology. 377. 341-350 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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