研究課題/領域番号 |
07457420
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土田 嘉昭 東京大学, 医学部(病), 教授 (80010164)
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研究分担者 |
逸見 仁道 東邦大学, 医学部, 助教授 (90165514)
上井 義之 東京大学, 医学部(病), 助手 (70177567)
尾花 和子 東京大学, 医学部(病), 助手
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キーワード | N-myc / c-myc / ELISA / ペプチド抗体 / MAP法 |
研究概要 |
神経芽細胞腫のがん遺伝子であるN-mycの異常発現を、その産物であるN-Myc蛋白を定量することにより知ることは極めて重要である。本年度、サンドウィッチ型ELISA法の確立を目標として、以下の研究を行った。 (1)myc系遺伝子間で相同性の高い領域(pan-myc領域)を含むDNA断片よりpan-Myc蛋白を精製し、家兎に免疫して、抗pan-Myc lgGを精製したた。(2)またN-Myc蛋白全体の中から本蛋白に特異的と考えられる17個のアミノ酸(GVAPPRPGGRQTSGGDH)、及び、16個のアミノ酸(HGRGPPTAGSTAQSPG)の2種のペプチドを選び、これらを人為的に合成せしめ、家兎を用いてポリクローナル抗体を得、これらより抗N-Myc lgG精製する実験を行った。(3)ELISA法の標準蛋白として、アミノ末端側にN-Myc特異領域をもち、カルボキシ末端側にpan-Myc共通領域をもつN-pan-Myc融合蛋白を精製した。(4)上記で得られた標準蛋白及び2種の抗体を用い、サンドウィッチ型ELISAの系を組む予定であるが、得られたN-Mycペプチド抗体に若干の問題があり、現在種々の検討を行っている。即ち、得られた抗N-Mycペプチド抗体(lgG)はN-Mycとのみ反応すべきところ、c-Mycのみしか産生しない筈の細胞株(THP-1-S)ともWestern blotで反応しており、ペプチド抗体法を用いたにもかかわらず、その特異性に疑義が出された。c-Mycのみしか産生しない筈の細胞株と判断した根拠に問題があるのか、17個、或は、16個のアミノ酸の短いペプチドであっても、尚c-Myc蛋白との間に相同性があるのか、検討を行っている。尚、ペプチドかポリクローナル抗体を得る際に、ヘモシアニン結合法とMAP(multiple antigen peptide)法とを併用したが、後者の方が抗体産生の効率が良いことが今回明らかとなった。
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