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1996 年度 実績報告書

歯と歯周組織の抗原提示細胞ネットワークに関する免疫組織学的、酵素組織化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457426
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

高野 吉郎  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90126425)

研究分担者 大島 勇人  新潟大学, 歯学部, 講師 (70251824)
馬場 麻人  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90251545)
坂本 裕次郎  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90242205)
寺島 達夫  東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (20114770)
キーワード抗原提示細胞 / 樹状細胞 / マクロファージ / MHC Class II / 免疫組織化学 / 破骨細胞 / 歯根膜 / 歯髄
研究概要

生後の各発達段階の個体における抗原提示関連細胞、特に樹状細胞の細胞特性、空間配置、および細胞動態に関して、生理的、実験的条件下で解析を試みた.本研究年度は、歯と歯周硬組織の吸収から形成への転換に際して見られる、硬組織形成系の分化誘導と樹状細胞の関わりに着目して解析を行った.
歯根膜組織における破骨細胞と抗原提示細胞
生理的に遠心移動するラット臼歯の歯根膜では、ともに骨髄単球系である破骨細胞と樹状細胞が、明確な棲み分けを示す.すなわち、MHC Class II抗原陽性の樹状細胞(樹状細胞)の大部分は、破骨細胞とは逆に近心歯根膜の骨形成野に偏在する.この歯根膜モデルを用いて、ラット臼歯をWaldo法にて近心移動させたところ、移動開始後3日で圧迫側から伸張側へと変化した歯根膜領域に多数の樹状細胞が出現した.伸張側から圧迫側へと変化した部位では、樹状細胞も破骨細胞も殆ど見られなかったが、1週目には多数の破骨細胞が現れた.生理的吸収野と異なり、同部には樹状細胞も多数観察されたが、この現象は、どの観察野にもわずかながら炎症性変化があったことと関係していると考えられた。健常歯根膜に常在する樹状細胞の役割を示唆する所見はこれまで報告がない.本実験では樹状細胞が歯根膜での骨形成系の誘導と活性化に関与する可能性を積極的に示唆するデータは得られなかったが、侵襲の少ない小動物用矯正装置を導入しての新たな解析が現在進行しつつある.
ヒト乳歯歯髄の樹状細胞
健常、歯根吸収期、歯冠吸収期の乳歯歯髄いずれにも多数のMHC Class II陽性細胞が確認された.陽性細胞の中には細胞体を象牙前質に置き、細胞突起を象牙細管を深く刺入させているものが多く、永久歯歯髄との相同性が認められた.陽性細胞は破歯細胞の隣接野にも存在したが、セメント質様組織の形成後は全く観察されず、象牙質の吸収からセメント質の添加への何らかの関与が伺われた.

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Takano,Y.,Kawahara,I.他6名: "Dendritic cell : A novel cellular component of the rat incisor enamel organ in the late stage of enamel maturation." Advances in Dental Research. 10(2). 216-224 (1996)

  • [文献書誌] Takano,Y.,Hanaizumi,Y.他1名: "Occurrence of amorphous and crystalline mineral deposits at the epithelial-mesenchymal interface of Ca-loaded rat incisors : ..." Anatomical Record. 245. 174-185 (1996)

  • [文献書誌] 高野吉郎: "歯のエナメル質形成過程で発現するリズムと空間パターン" 表面科学. 17(6). 321-327 (1996)

  • [文献書誌] Ohshima,H.,Sato,O.他3名: "Responses of immunocopetent cells to cavity preparation in rat molars" Connective Tissue Research. 33(1-4). 303-311 (1995)

  • [文献書誌] Kawahara,I.,Takano,Y.: "Immunohistochemical characterization and localization of MHC class II antigen presenting cells in the periodontal ligament.." Connective Tissue Research. 33(1-3). 369-378 (1995)

  • [文献書誌] Kawahara,I.Takano,Y.: "Segregated localization of immunocompetent cells and osteoclasts in the periodontal ligament of rat molar tooth." Archives Histology cytology. 58(3). 345-355 (1995)

  • [文献書誌] 前田健康,高野吉郎: "治癒の病理〈臨床編〉第三巻歯の移植・再植" 医歯薬出版(下野正基、飯島国好編), 107-125 (1995)

  • [文献書誌] 前田健康,高野吉郎: "治癒の病理〈臨床編〉第三巻歯の移植・再植" 医歯薬出版, 172-181 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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