研究課題/領域番号 |
07457433
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
柳澤 孝彰 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10096513)
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研究分担者 |
見明 康雄 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00157421)
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キーワード | フッ素(フッ化ナトリウム) / フッ素症歯 / 琺瑯質(エナメル質) / 顕微X線法 / 光学顕微鏡 / 高分解能電子顕微鏡 |
研究概要 |
本年度も、前年および前々年と同様、ラット上下顎切歯に形成した実験的フッ素症歯を通法に従って超薄切片として高分解能透過型電子顕微鏡により個々の結晶を検索し、これまでの結果が偶然得られたものではないことの確認を行い、さらに、実験途上で問題となったfluoridated-hydroxyapatiteの検討を開始した。 フッ素症歯琺瑯質の表層は高度に石灰化し、その直下に低石灰化層を伴っていた。高石灰化層には、結晶格子の間隔が8.17Åを示しhydroxyapatiteと同定される大型の結晶と、それが8.12Åでfluorapatiteと同定される小型の結晶が混在していた。大型のものは対照と比較すると明らかに過成長したものであり、しかもそれらが密に配列していた。また、認められた小型結晶の数はヒトのそれと比べると格段に少なかった。本研究者らがかつて行った実験的ブタフッ素症歯の検索で、fluorapatiteが形成中の琺瑯質に出現する可能性を示唆したが、今回の結果は、この所見を確実なものとし、萌出以前にfluorapatiteが琺瑯質中に出現していることを確定した。 通常、萌出直前には琺瑯質全層に石灰化度の上昇が認められるが、フッ素症歯では表層直下の低石灰化層はその状態を維持したまま萌出して来る。これは表層高石灰化層に結晶間隙が殆ど存在しないため、直下の低石灰化層に無機イオンの供給が抑制されたためと推測される。ところで、フッ素症歯琺瑯質には上記2種の結晶のほかにその格子間隔が8.17Å未満で8.13Å以上のものや、結晶中央にoctacalcium phosphateの存在を示唆するものなどが観察された。特に前者の結晶はfluoridated-hydroxyapatiteであることを推測させるが、それについての超高分解能電顕所見がこれまでに報告されていないため、in vitroではあるが、これにつき検討している大阪大学歯学部丘岡崎先生から試料の提供を受け、現在、共同研究としてその詳細な検索を行いつつある。
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