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1995 年度 実績報告書

生体アパタイトの結晶成長と基質タンパクによる石灰化の制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457434
研究種目

一般研究(B)

研究機関日本歯科大学

研究代表者

青葉 孝昭  日本歯科大学, 歯学部, 教授 (30028807)

研究分担者 青木 春美  日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50150925)
田谷 雄二  日本歯科大学, 歯学部, 講師 (30197587)
キーワードエナメル質 / 基質タンパク / アメロジェニン / 石灰化 / アパタイト結晶 / 蛋白質構造 / 原子間力顕微鏡 / 小角x線散乱法
研究概要

当初の研究計画に従い、高エネルギー物理研究所・放射光実験施設でブタアメロジェニンの20kDと13kDの試料について溶液X線散乱実験を実施した。これらの溶液X線散乱実験結果では、当初の期待どおりに、アメロジェニンの形態・溶液内構造の研究における今回の方法論の有用性を実証することができた。すなわち、溶媒に起因する散乱を除き蛋白分子の慣性半径を求めるため、蛋白濃度が1mg/mlから10mg/mlの範囲にわたってX線散乱の強度測定を行った。得られた強度データをギニエプロット解析すると、20kDと13kDのいずれの試料からの直線プロットが得られ、みかけの慣性半径(Rg)として38Å、26Åの値が求められた。蛋白分子が不均一な会合体を形成している場合にはその慣性半径に関する情報が得られないが、今回の我々の試みではRg値が得られたことから、少なくともアメロジェニンは溶液内で単一分子あるいは均一な会合体(会合している分子の数が同じ)として存在していることが示唆された。次年度において、実測された慣性半径の値が単一分子に相当するか、あるいは均一な会合体を反映しているかを区別するために、X線散乱実験条件下でのゼインの分子量(X線絶対強度)測定を計画している。これらの溶液X線散乱実験に加えて、同じアメロジェニン試料のFTIRによる検索から、蛋白分子は溶液温度に依存してβ-turnからランダムコイル状への構造変化を生じることがわかった。このアメロジェニンがエナメル質での石灰化に果たす役割を確定するため、アパタイトの前駆体であるオクタリン酸カルシウムの構造と蛋白との吸着反応について調べた。これらのin vitroでの実験結果については、既に論文発表を行った。また、アメロジェニン抗体を用いた形態観察においては、生理的な歯の発生過程とともに口腔内に発生する腫瘍病変においてもアメロジェニンの合成・分泌に関する所見を得ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Aoba,T: "Current Understanding of Structure, Properties, and Function of Amelogenin" ACBTE. 4. 59-61 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki, O.: "Adsorption of Bovine Serum Albumin onto Octacalcium Phosphate and its Hydrolyzates" Cells and Materials. 5. 45-54 (1995)

  • [文献書誌] Yagishita, H.: "Confocal Laser Scanning Microscopic Studies on Alveolar Bone, Remodeling with Orthodontic Tooth Movement and Retention" Scanning Microscopy. 9. 781-788 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki, O.: "Reversible Structural changes of Octacalcium Phosphate and Labile Acid Phosphate" J Dent Res. 74. 1764-1769 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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