研究課題/領域番号 |
07457441
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
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研究分担者 |
宇田川 信之 昭和大学, 歯学部, 講師 (70245801)
宮浦 千里 昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | gp130 / IL-6 / IL-11 / IL-6レセプター / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨吸収 / 慢性関節リウマチ |
研究概要 |
我々は骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養系において、gp130をシグナル伝達因子として利用するIL-6は単独では破骨細胞の形成を促進せず、可溶性IL-6レセプター(SIL-6R)の共存下でそれを促進することを報告した。一方、gp130をシグナル伝達因子として利用するIL-11は単独で破骨細胞の形成を促進した。本研究において、破骨細胞の形成と機能を調節するgp130をシグナル伝達系を更に解析した。(1)骨芽細胞はIL-11レセプター(IL-11R)を発現していたが、IL-6Rを発現していなかった。また、IL-6R遺伝子を発現させたトランスジェニックマウスを用いた解析より、破骨細胞形成を促進するIL-6Rを介するシグナルは骨芽細胞に入ることが明らかとなった。(2)慢性関節リウマチの患者の滑膜組織には破骨細胞様多核細胞が存在し、滑液中のIL-6及びsIL-6Rレベルは変形性関節症の患者のそれよりも上昇していた。(3)破骨細胞を象牙質切片上で培養すると吸収窩を形成するが、この吸収窩形成活性は、IL-11やIL-6により影響を受けなかった。また、gp130のシグナルを遮断する抗gp130抗体を添加しても破骨細胞の機能は影響されなかった。(4)1α,25(OH)_2D_3、PTH、PGE_2等の骨吸収因子は骨芽細胞のIL-11産生を著しく促進した。また、抗gp130抗体は、1α,25(OH)_2D_3、PTH、PGE_2等の骨吸収因子による破骨細胞形成を部分的に抑制した。すなわち、これらの骨吸収因子の破骨細胞形成には、gp130を作動させるIL-11の産生促進が関与する可能性が示された。以上の知見より、gp130を介するシグナルは骨芽細胞に入り破骨細胞の形成を調節するが、その機能を調節する可能性は低いものと考えられた。また、IL-6とsIL-6Rは慢性関節リウマチの骨吸収因子である可能性が示された。
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