研究課題/領域番号 |
07457445
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
早川 太郎 愛知学院大学, 歯学部・生化学講座, 教授 (80064822)
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研究分担者 |
渋谷 俊昭 朝日大学, 歯学部・歯周病学講座, 講師 (40206149)
山下 京子 愛知学院大学, 歯学部・生化学講座, 助手 (40231659)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 破骨細胞 / 骨吸収 / TIMP-1 / TIMP-2 / 抗TIMP-1モノクロナル抗体 / 抗TIMP-2モノクロナル抗体 |
研究概要 |
TIMP-1もTIMP-2も共に骨吸収を抑制することが報告されているので、私たちは、in vitroでの培養系に添加するウシ胎仔曲清(FCS)中に含まれているTIMP-1および/またはTIMP-2を除去した場合に、骨吸収にどのような影響を及ぼすかを検討した。最初、両TIMPに対するモノクロナル抗体(mAb)を実験系に加え、骨吸収への影響をみたところ、私たちの予想とは全く反対の結果、すなわち、抗TIMP-2 mAbは骨吸収を亢進するどころか、強く抑制した。しかし、抗TIMP-1 mAbでは一貫した結果が得られなかった。そこで、両TIMPに対するTIMPをそれぞれ固定したアフイニティーカラムを調製し、FCS中のTIMPを除去したところ、TIMP-2非含有または両TIMP非含有FCSは骨吸収を強く抑制した。しかし、TIMP-1非含有FCS中でははっきりした結果が得られなかった。以上の結果は、先のmAbを加えた結果とよく一致しており、骨吸収の抑制にはTIMP-2の除去がより有効であることが分かった。しかも、この骨吸収の抑制は、実験系にヒトリコンビナントTIMP-1およびTIMP-2を再添加することによって、ほぼ完全に回復した。以上の事実は、TIMP、特にTIMP-2が破骨細胞性骨吸収の活性化因子であることを強く示唆している。さらに、このTIMP依存性骨吸収のメカニズム解明の手掛りを得る目的で、10%FCS、TIMP-1および/またはTIMP-2非含有FCS中でのTRAP陽性多核細胞数を算定したところ、これらの培養条件に無関係に一定であることが明らかとなった。この結果は、TIMPの役割は成熟破骨細胞の機能発現に関与しており、前駆細胞の成熟過程には関与していないことを強く示唆している。
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