研究課題/領域番号 |
07457449
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 卓 長崎大学, 歯学部, 教授 (30172406)
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研究分担者 |
有地 淑子 長崎大学, 歯学部, 助手 (60232063)
佛坂 由可 (光田 由可) 長崎大学, 歯学部, 助手 (10244089)
柴田 義幸 長崎大学, 歯学部, 助手 (20253685)
泉 雅浩 長崎大学, 歯学部, 助手 (40212956)
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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キーワード | Sjogren症候群 / MR / テクスチャー解析 / 診断基準 |
研究概要 |
Sjogren症候群の患者45名及び健常者40名に対し、我々独自の耳下腺MR画像の定量解析を行った。健常者はSjogren患者と年齢分布が同一になるように選定した。解析方法は1.5T(テラス)の超伝導MR装置により得られたMR画像を画像入力装置(レーザーキャナー)によりデジタル化し、画像表示装置のモニタ上(TospixII)で耳下腺内部に一定の大きさ(0.89cm2)の関心領域(ROI)を後耳介静脈、唾液腺導管等の解剖構造を含まないように設定した。次にROI内の画像データに対し解析用コンピュータを用いて定量解析を行い、MR画像上でのSjogren患者の耳下腺内部組織構造と正常例の耳下腺内部構造との比較を行った。定量解析法は、耳下腺内部の信号強度のばらつきをstanderd diviation(SD)で表し、さらにフーリエ解析(FFT)を応用し、空間周波数を求めテクスチャー解析を行った。 その結果、定量解析結果のすべてにおいてこの2群間で明らかな有意差を認めた。特に、SD値による解析では100%のspecificityとsensitivityをもって分離できた。以上の結果より、Sjogren症候群の診断におけるMRIの有用性は非常に高いことが明らかになった。 さらに我々は、T1強調像においてSjogren患者に特異的に認められる耳下腺内部に散在する高信号領域に着目し、唾液腺組織とは明らかに異なるこの高信号領域の唾液腺全体に占める割合が本疾患の重症度を表していると考え、その割合による重症度の分類を定性的に行った。MRIの重症度の分類は耳下腺内部の組織変化を直接評価したものであり、今後確立されると考えられるSjogren症候群の治療において、治療方針の決定や予後の判定に重要な指標となると考えられた。 以上の結果をAJR(1996年、印刷中)に報告した。
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