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1995 年度 実績報告書

歯周病病態形成における自己抗体の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457456
研究種目

一般研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

栗原 英見  広島大学, 歯学部, 教授 (40161765)

研究分担者 日野 孝宗  広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20274102)
柴 秀樹  広島大学, 歯学部, 助手 (60260668)
竹本 俊伸  広島大学, 歯学部, 助手 (00236506)
キーワード歯周病 / 自己抗体 / 自己抗原 / 歯肉線維芽細胞 / コラーゲン
研究概要

成人性歯周炎患者30人,早期発症型歯周炎患者41人,健常者12人について,ヒト歯肉線維芽細胞およびヒト歯根膜細胞に対する自己抗体の検出を行った.それぞれの細胞を界面活性剤を用いて可溶化し自己抗原として用いた.自己抗体は歯周病患者血清IgG抗体をWesternblot法で検出した.
成人性歯周炎患者では30人中15人(50.0%)が,早期発症型歯周炎患者では41人中21人(51.2%)が,健常者では12人中2人(16.7%)がヒト歯肉線維芽細胞由来抗原と反応する血清IgG抗体を有していた.ヒト歯肉線維芽細胞に対する自己抗体を有する比率は歯周炎患者のほうが健常者よりも明らかに多かったが,歯周病の病型による差はなかった。
自己抗体が反応する抗原は歯周病患者によって多様であったが,分子量180kDaの抗原に対して強い反応を示す患者が多かった.この抗原の特徴は(1)非還元下では巨大な分子量を示す,(2)コラゲナーゼ処理によって110kDaの分子に変化する,(3)ヒトType I,Type IIのコラーゲンに対する抗体に反応しない,(4)この抗原はヒト歯肉線維芽細胞だけでなくヒト歯根膜細胞およびKB細胞に共通して存在する.また,分子量180kDaの抗原に対して強い反応を示す患者はType Iコラーゲンに対して反応しなかった.
今年度の研究成果は,歯周炎患者では細菌感染によって自己成分に類似した抗体を産生するか,あるいは組織破壊を繰り返すことによって,自己抗原に感作されて自己に対する抗体を産生していることが明らかになった.自己抗原の性状は分泌前の線維芽細胞内でのコラーゲンの型であるプロコラーゲンに類似しているが来年度に更に詳細な検討が必要である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kazuyuki Shibata: "Calcium entry induced substrate and its regulation in neutrophil" Journal of Dental Research. Sp. Issue. 222 (1996)

  • [文献書誌] Kazue Taketoto: "Platelet-activating factor as a potential clinical marker in periodontal disease" Journal of Dental Research. Sp. Issue. 211 (1996)

  • [文献書誌] 河野 隆幸: "歯周病患者が認識する歯肉線維芽細胞由来高分子蛋白の検出" 日本歯科保存学会誌. 春季特別号(未定). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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