1)ラット頭蓋冠由来骨原性細胞におけるプロスタグランディン(PG)E_2の骨様結節(BN)形成に及ぼす効果:PGE_2は、連続添加の場合、濃度依存的にBN数を増加させ、3×10^<-8>Mで最大効果を示し、培養14日目には対照群の約2.5倍の促進が認められた。この傾向はBNが成熟する培養24日目まで続いた。また、細胞層にBNが出現する頃(8〜14日)に3×10^<-8>MPGE_2を添加した場合でも、BN数は21日後に約1.5倍に増加した。 2)PGE_2のアルカリフォスファターゼ活性に及ぼす効果:連続添加の場合、培養14日目頃よりPGE_2の効果が現れ、24日目まで約1.4倍の酵素活性の上昇を示した。この上昇の推移はBN数促進効果と平行して観察された。また、BNが出現する頃(8〜14日)に添加した場合、約1.3倍の上昇が観察された。 3)PGE_2の石灰化基質中へのオステオポンティン(OPN)取り込みに及ぼす効果:^<32>Pーリン酸で標識された場合、EDTA画分へのOPNの取り込みが著明に促進された。この結果から、PGE_2がBNの形成を促進する際には、OPNの石灰化画分への取り込みが必須条件の一つであると考えられる。また、EDTA画分へ取り込まれたOPNの量をステインズオール染色ならびにウェスタンブロット分析で調べたところ、明らかにPGE_2添加群においてOPNのバンドが大きく、このことは形成された石灰化基質に呼応してOPNが相当量含まれることを示している。
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