研究課題/領域番号 |
07457464
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
奥野 攻 東北大学, 歯学部, 教授 (50014080)
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研究分担者 |
菊地 聖史 東北大学, 歯学部, 助手 (50250791)
高田 雄京 東北大学, 歯学部, 助手 (10206766)
片倉 直至 東北大学, 歯学部, 助教授 (70005031)
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キーワード | チタン合金 / 形状記憶 / 超弾性 / 生体用機能性合金 / 変態温度 / インプラント / Ti-Pd合金 / Ti-Pd-Co合金 |
研究概要 |
チタン-パラジウム系合金を基本とし生体への安全性が高く、体温付近で形状記憶効果や超弾性効果を示す、歯科に適した新しい機能性チタン合金の開発を行ってきた。その結果、チタン-50mol%パラジウム合金のパラジウム一部をコバルトで置き換えたチタン-パラジウム-コバルト合金は生体温度で以下で変態し、形状記憶効果を示すことがわかった。本年度はこのチタン-パラジウム-コバルト合金の組織や機械的性質が組成や熱処理で温度でどのように変化するかあるいは耐食性がどのように変わるかについて検討し以下の結論を得た。 (1)チタン-50mol%パラジウム合金をベースとしたチタン-30mol%パラジウム-20mol%コバルト合金では、コバルトが効率よく固溶し形状記憶効果を示すβチタン-パラジウム相が室温においても安定に存在した。 (2)チタン-42.5mol%パラジウム合金をベースとしたチタン-パラジウム-コバルト合金では、その組成や熱処理温度によっては脆化を助長し形状記憶効果を示さないチタン-コバルト相、チタン-パラジウム相やI.C.相が析出し不安定であった。 (3)チタン-42.5mol%パラジウム合金およびチタン-50mol%パラジウム合金は生理食塩中での過不動態電位は0.55vであり、純チタンより耐食性は悪いがSUS316Lに匹敵する耐食性であった。しかしパラジウムの一部をコバルトで置換していくと耐食性が低下した。 (4)チタン-パラジウム-コバルト合金系形状記憶合金の耐食性を向上させるため第4元素の添加が必要と考えられた。
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