研究概要 |
構築した携帯用筋電図測定システムによって、正常者21名と、顎機能異常者のなかでブラキシズムの認められる者18名の、スプリント装着および未装着での筋電図を各々3日間連続して行った。ブラキシズムの客観的評価の基準を明確にするために、携帯用筋電図測定システムにブラキシズム音と心拍数をモニターできるように改良を加えたものの,筋電図との同時解析プログラム開発には,外注した基本ソフトからの改良が必要であり、ブラキシズム音および心拍数をモニターする機能を開発するにとどまった。 携帯用筋電図測定システムによって得られた測定データを,構築した筋電図解析システムにより解析した.左右咬筋の睡眠時の筋活動は,最大噛みしめ時の筋活動量(100%MVC)を基準にパーセンテージ(%MVC)で表した.闘値は,自由に設定可能であるが,正常者と顎機能異常者の測定データより,闘値10%MVCを越える筋活動をブラキシズム発生と設定した.闘値を越えた筋活動は,発生件数,持続時間,総持続時間,時間あたりの筋活動量として算出した.正常者と顎機能異常者のなかでブラキシズムの認められる者との比較では顎機能異常者のブラキシズムの発生件数,持続時間,総持続時間,筋活動量すべてにおいて差が認められた.これより,本システムによってブラキシズムの定量的評価の可能性が示唆された. スプリント装着前後の比較は,現在詳細に検討中であり,この結果によってスプリントの影響について定量的評価が可能となる.
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