研究概要 |
1.示差走査熱量計に装着可能な可視光線照射装置を試作し、その性能を検討した結果、長時間(10分以上)の連続照射においても出力の低下がなく、重合反応の検討に十分使用できることを確認した。 2.側鎖にエキソメチレンやフェニール基をもつ4種の6員環アセタールのビニール誘導体を合成し、80〜120℃のラジカル重合(AIBN:アゾビスイソブチロニトリル)について検討した結果、いずれにおいても無色の重合体が得られた。特にエキソメチレンを持つ6員アセタール誘導体はラジカル重合によってDouble Ring-openingし、架橋構造のポリマーを生成することが確認された。 3.側鎖に環状カーボナ-トを有するメタクリレート(1,2-オキソ-5-メタクリロイルオキシメチル-1,3-ジオキサン:CMA)を合成した。 4.側鎖に環状カーボナ-トを有するメチルメタクリレート(MMA)との共重合体(2種)を合成した。 5.CMAをエチレングリコールジメタクリレート(1G)に溶解し、CMA/1G:30/70,40/60(重量比)からなるコモノマーを調製し、2種のラジカル重合開始剤(過酸化ベンゾイル:BPO,カンファーキノンCQ/ジメチルアミノエチルメタクリレート:amine)による重合反応を検討したところ、可視光線重合において70℃の加熱重合より高い反応率を示すことが確認された。また、重合前後のIRスペクトルからCMA内のスピロ環およびビニール基の重合が推察された。また、CMAは1Gの重合を促進することが確認された。 6.CMAとMMAからなるコポリマーをMMAに溶解し、側鎖の環状カーボナ-トの開環重合を検討中である。
|