研究課題/領域番号 |
07457485
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
立松 憲親 岐阜大学, 医学部, 教授 (60021474)
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研究分担者 |
藤塚 秀樹 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90262766)
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (40133483)
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キーワード | 変形性関節症 / 顎関節 / ヒアルロン酸ナトリウム / 変形性関節症モデル |
研究概要 |
ヒアルロン酸ナトリウムは関節軟骨の主成分であり、link proteinを介して多くのプロテオグリカンと結合し、アグリカンを形成しコラーゲン線維と共に関節軟骨の基質を形成する。正常顎関節においてはヒアルロン酸ナトリウムは滑膜細胞から作られ関節腔内に放出され、滑液の主成分ともなり、関節軟骨の恒常性維持に寄与している。しかし関節が病的状態になるとこの代謝に変化が生じ、例えば変形性関節症ではヒアルロン酸ナトリウムの濃度は低下するといわれている。そこでヒアルロン酸ナトリウムを外部から関節腔内に注入することにより変形性関節症の発症が抑制出来うるか否かは、これまで実験的に膝関節などで証明されてきたが顎関節においてはその報告はない。したがって今回はヒアルロン酸ナトリウムの変形性顎関節症発症への抑制効果について検討した。使用したモデルは1992年石丸らの報告に基づき同様の手法で羊変形性顎関節症モデルを作成した。使用した薬剤は1%ヒアルロン酸ナトリウムであり対照として生理食塩水を用いた。実験計画として初期手術よりヒアルロン酸ナトリウム及び生理食塩水を5回顎関節上関節腔に注入し、1カ月及び3カ月後に屠殺し組織学的検討を行った結果、ヒアルロン酸ナトリウム投与群および対照群共に変形性顎関節症の発症は認められたが、ヒアルロン酸ナトリウム投与群の顎関節は1カ月及び3カ月の両時点で対照群に比べ、顎関節における変形の程度が有意に抑制されていた。このことからヒアルロン酸ナトリウムは変形性顎関節症発症に対しなんらかの抑制作用を有していることが示唆された。
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